「かもめ食堂」読了

友だちから借りました。

これまで群ようこさんの本はエッセイしか読んだことがありませんでした。それらの印象では、不幸や不運はたしかにあること、そのいたたまれない感じが強く残っています。そのため、群さんのエッセイは読み終わってあまり気分がよくないことが多く(あぁ、よかった、と思ったことはたぶんない)、人から手渡されるか、何かよんどころない事情がないかぎり読むことはありませんでした。

映画「かもめ食堂」の公開はだいぶ前のことですが、映画を観て、この原作が群さんであることは違和感以上の衝撃でした。受け入れがたい、信じたくない(すみません)と言ってもいいくらい。
それで、映画は大いに気に入って、片桐はいりさんのフィンランド滞在記「わたしのマトカ」も読んだのですが、この小説「かもめ食堂」については見えないふりをしていました。

そして時間が経って、先月のこと。
ふだんあんまり本の話をしてこなかった友だちと、ちょっと本の話になって、彼女が「群さん、けっこう読む」と言いました。私は正直に「ちょっと苦手」―“ちょっと”は正直な表現じゃないけど―と白状しました。すると、「でも、映画の『かもめ食堂』は好きでしょ?小説もよかったよ」と教えてくたうえ、数日後、本を貸してくれました。

それを読みました。

トータルで2時間くらいかな。映画を見るのと同じくらいの時間で読み終わりました。
ちょっとがっかりなこともあったけど、雰囲気は映画と変わらず、私にも親しめるものでした。読まず嫌いはいけませんね。

KM、ありがとう。

かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

群 ようこ / 幻冬舎





サチエさんが、フィンランドでお店を開いてしばらくお客ゼロでもヘイチャラでいたのは、お金持ちだったからなんです。それも宝くじに当たったから・・・。
たぶん、この事情は映画では描かれていなかったと思います。
こういう都合よさは、ある意味現実的だけれど、ファンタジーとしては安っぽくなってがっかりでした。

同じ「宝くじが当たって・・・」でも、絲山秋子さんの「海の仙人」ではよりファンタジーを強める作用があるように感じました。人それぞれといえばそれまでですが、こういう受け止め方の違いは大事にしていいと思います。
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by takibi-library | 2009-03-28 20:41 | いつも読書 | Comments(0)  

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