「回送電車」読了

いろいろな本に寄り道しつつ読んでいたので、読みはじめたときからはすっかり季節が変わってしまいました。でも、この散文集の魅力はそんなゆるみにはびくともしないし、ぽつぽつと読み進めることで、作者とときどき会って話を聞いているような気分になります。

フランス文学の話になると、知らない書名、作家名にぽかんとします。
古い日本の小説の話のときは、今度古本屋で探そうとメモを取ります。
妄想話のときはちょっとあきれたり、またはそうそう!とうなずきます。

こんな調子です。

ところで、この本の中でいちばん興味深かったのは、堀江さんの「郊外へ」がUブックスになったときのエピソードです。
Uブックス版の「郊外へ」の表紙には松本竣介の「クレーンのある風景」という絵が使われています。私が堀江敏幸という名前を気に留めたのは、まさにこれが理由でした。
松本竣介の絵は、辻邦生さんの「ある生涯の七つの場所」中公文庫版の表紙に使われていたことで知りました。ちょうどそれを読んでいる間に練馬区立美術館で回顧展があり、そのめぐり合わせは今でも思い出すと幸せな気分になる思い出です。
それからだいぶ経ってから、松本竣介の絵を表紙に使った別の本を見つけました。それが「郊外へ」だったのです。
どうしてこの表紙に松本竣介の絵を選んだのか、という話にはまだめぐり合わせの魔法が続いているようで、わくわくしました。次も、その次も、何かにつながっていきそうです。

でも、実をいうと「郊外へ」は未読なのです。入手もしていません。
そろそろ買ってもいいかな(笑)。

回送電車 (中公文庫)

堀江 敏幸 / 中央公論新社


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by takibi-library | 2009-04-16 14:45 | いつも読書 | Comments(0)  

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