「美貌の果実」読了

中高生のときに、あまり少女マンガを読んでいなかったからあくまでも推測だけれど、当時の私がこれを読んで楽しかったかどうかはかなりあやしい。
これっていうのはこのまんが。川原泉「美貌の果実」です。全編、のんきな女の子ときれいな男の子、作物と家畜が繰り広げるのどかなラブコメディばかりが集められた本です。

作物と家畜、というのが「おやっ?」っと思うのですが、ほんとうにそうなんです。表題作ではぶどう、ほかにはトロピカルフルーツ、テーブルやし、白い牛、サラブレッド、うっそうと茂る雑木林、亀、パセリ・・・いろいろ出てきます。どの作品でも植物や農業、ワイン作り、諸伝説などの豆知識が紹介されつつ、ちょっと鈍かったりのんびり屋だったりする女の子が、男の子とちゃんとめぐり会う物語が進んでいきます。

当時の私がこれを読んで楽しかったかはあやしい、というのは、こういう話をただ「ウソっぽい」と思ったに違いないからです。自分の魅力に無自覚なように振舞う(←ほんとうに無自覚ってのはありえない)女の子を、ちょうどよく好きになってくれるきれいな男の子が現れるなんてねぇ。

でも、この年になって読んでみると、案外すんなり受け入れられたというか、コメディとして楽しめました。読んでいてほんとうに楽しかった。豆知識もおもしろかった。あっというまだった。

まんがは、難しく考えないで、笑って読めばいいんです。

美貌の果実 (白泉社文庫)

川原 泉 / 白泉社


[PR]

by takibi-library | 2009-05-04 21:44 | いつも読書 | Comments(2)  

Commented by bara_aya at 2009-05-06 22:53
ご無沙汰しておりました。ブログを書いていない間も本を読み続けておりましたよ。
ところで、川原泉作品は全部読んでいる私です。
私は多分「三月革命」という作品が出会いだったと記憶しています。
そして、その時からはまってしまったクチです。
・・・そういえばラブコメとして受け止めてなかったことに今気づきました・・・。
Commented by takibi-library at 2009-05-07 10:20
私も「半年くらいブログを休もうかな」と、ときどき思います。書くことは苦痛ではなくて、休む理由がとくにないので、一度休むと復活できない気がして踏み切れません。

川原作品は、平たく言うとラブコメだと思います。でも、私はふだんラブコメをおもしろいとは思いません。でも、川原作品はおもしろい。
それは、妙に哲学的であったり、観念的であったりして、その部分で読ませてくれるから、けっきょくラブコメとして読まなくていいからなのだと思います。

<< 連休 往来堂書店へ納品→座談会「谷根... >>