「99%の誘拐」読了

結末が気になって、ちょっとの時間にも、1、2ページでも読み進めました。

物語は、昭和43年に起きた未解決の誘拐事件について被害者の父親が綴った手記で始まります。
この誘拐事件では子どもは無事に助かったものの、身代金である5000万円分の金塊は奪われ、犯人もわからないまま、事件は時効を迎えようとしていました。

手記は、警察に知らせたとはいえ、子どもを助けられるのは自分だけだという、圧倒的な孤独さに満ちてきました。その驚くべき記憶の確かさから、父親のがどれほど無念に思い続けてきたかが思い知らされます。

手記に続いて、20年後の誘拐事件が始まります。
二つの事件のつながり、重なりがだんだんわかっていくにつれて、物語としてどのように決着するのかが帰ってわからなくなっていきました。

コンピューターを使った犯人の手の内は、読み手には謎ではなくて、謎は事件に関わっている人々の心そのものなのです。

「なぜ、このような事件を」

その答えが明らかになる物語の最後は、思った以上にあっさりしたものでした。
ちょっと拍子抜けともいえるけれど、そこに至るまでのそれぞれの緊迫感から読み手も開放される感じがちょうどいいと思います。

99%の誘拐 (講談社文庫)

岡嶋 二人 / 講談社


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by takibi-library | 2009-08-06 22:19 | いつも読書 | Comments(0)  

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