音楽劇「トリツカレ男」

三段跳び、サングラス集め、探偵稼業、さまざまなものにトリツカレては、猛烈なトリツカレぶりですべてをトコトン極めてしまう“トリツカレ男”のジュゼッペの物語。
いしいしんじさんの小説を音楽劇に仕立てた作品を昨日観てきました。

ジュゼッペ役は、ミュージカル俳優の坂元健児さん、ジュゼッペがトリツカレる少女ペチカにはクラムボンの原田郁子さん、という配役です。
家人が坂元さんのファンで、私はいしいさんの「ごはん日記」が好きで、絶妙なとりあわせとなりました。

原作を読んだときから、これは音楽劇にピッタリだと思いましたし、とくにジュゼッペ=坂元さんはいい配役と感じました。ただちょっとだけ、原田さんの歌が、ミュージカル俳優の歌とあわせてどうなの?という疑問がありました。
ところが実際は、想像したような違和感はありませんでした。
エコーなんていらないくらいの、のびのびとした坂元さんの声と、ささやくような、ときには楽器のような原田さんの声は、ジュゼッペとペチカの個性として受け取れて、物語に深みを与えるようになっていたと思います。

また、小野寺修二さんによる振付、パントマイムをベースにしたダンスのアンサンブルがすばらしかったです。
物語の設定では、多少原作と異なる点もありましたが、彼らの不思議な、繊細だけれどどこかこっけいな動きが、いしいしんじさんの世界の魅力、不思議さを表していたと思います。

公演パンフレット(CDサイズ!2曲入りCDつき)によると、この作品は“「音楽と芝居とダンス」の融合”を目指したとあります。それは実現できていたと思います。
ミュージカルと音楽劇の違いが少しわかった気もします。音楽劇のほうが物語の進行に無理がありません。大作ミュージカルの妙にデフォルメされた展開に違和感を感じる方も、この「トリツカレ男」は楽しめるのではないでしょうか。


アトリエ・ダンカン プロデュース 音楽劇「トリツカレ男」

トリツカレ男 (新潮文庫)

いしい しんじ / 新潮社


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by takibi-library | 2009-09-08 12:05 | 鑑賞 | Comments(0)  

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