「第七障害」再読

絲山秋子さんの「イッツ・オンリー・トーク」に収録されている、「第七障害」が好きです。もう何度目でしょうか。昨日、夕飯のあとに読みました。

忘れられない失敗とか、帰えりたい場所とか、忙しくしている時は忘れているのにふとしたときに心を悩ますことは誰にでもあります。「ふとしたとき」の頻度には個人差があると思うけれど、会社をやめてから(=暇が増えてから)この「ふとしたとき」はたしかに増えています。

会社で働いていたときは、仕事上の目標もそれなりに持てていて、失敗は教訓として思い出され、帰る家=住まいがあれば不安もありませんでした。しかし、最近は人づきあいについての取り返しのつかない失敗、心のよりどころとしての帰る場所について考えます。ぼんやりと薄暗い気分になります。

この「第七障害」の主人公もそういうものを引き連れて生きています。それでも毎日の暮らしは続いていくし、それなりに楽しいこともあります。その、薄暗いところと、ニュートラルなところ、ちょっと華やかなところがバランスよく描かれているのが、気に入っているのだと思います。
眠る前に読むと、ときどき気がふさぐのは自分だけじゃないし、きっといいこともあるんだろうと思うし、いい気分で眠りにつけます。

そしてこの話に出てくるように、目が覚めるとお菓子を焼く甘い香りが部屋に満ちていたらもっといいのですが・・・(笑)。
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by takibi-library | 2009-11-22 22:28 | いつも読書 | Comments(0)  

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