「家庭の医学」読了

末期がんの母親を看取った体験をつづった文章なのに、とくべつな悲劇として伝わってこない、じめじめしたところのない作品でした。

どのような理由であれ、生きているうちに家族を看取る機会はめぐってきます。想像ですが、私はあれほどいろいろおぼえれいられないんじゃないかと思います。主治医の話を聞いたときどうだったとか、家族がこう言ったとか。もっとずっと細切れで、瞬間的な場面の記憶しか残らないんじゃないかと。

著者がこのような作品を出せたのは、文筆を生業としているからこそなのでしょうか。そうであってほしいです。
忘れてなるものかとそのとき誓ったことでさえも、もしかしたら、それについての記憶がもう手の届かない彼方遠くへ消えてしまったことに気づいていないのではないかと、不安になりました。

ところで、アメリカの火葬の方法に驚きました。
まず、遺族は火葬場に行きません。遺体を業者さんに預けて、翌日お骨を受け取るそうです(一晩かかる!)。もちろん、骨を拾うこともしません。
感動が台無しですが、よその人と入れ違いになったりしないのかしら?と余計な心配をしてしまいました。

家庭の医学 (朝日文庫)

レベッカ ブラウン / 朝日新聞社


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by takibi-library | 2010-01-21 22:16 | いつも読書 | Comments(2)  

Commented by non at 2010-01-22 09:31 x
レベッカブラウン、大昔にオリーブという雑誌で紹介されているのを見て、
「体の贈り物」読んだこと思い出しました。
「体の贈り物」も、じめじめしたところのない作品でしたよね。
また久しぶりに読んでみたくなりました!
Commented by takibi-library at 2010-01-22 21:41
「家庭の医学」はテーマが重いので買ってからすぐ読む気にならなかったのですが、やっぱりレベッカ・ブラウンでした。ぜひ読んでみてください。

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