「空飛ぶ馬」読了

はじめての北村薫作品です。職場のOさんからすすめられました。

文学部の女子大生と、噺家という組み合わせの連作探偵小説ですが、扱う事件は身近なトラブルや、不思議なできごと。陰惨な話はありません。

はじめはこの女子大生がことあるごとに、文学、文芸からの連想や引用をしまくるのが鼻について、いけすかないな、と思いました。自分の見た目はよく見れば人並み以上と思っているような、このくらいの年齢の女性にありがちな自意識の強さも愉快ではありませんでした。噺家さんと、主人公のさばさばしつつ情に篤い同級生が魅力的な分、主人公の株はどんどん下落を続けていたのです。

だから、途中で読むのをやめようかと思ったんですけど、あるとき気がつきました。単なるうんちくキャラだと。そうなると、途端に笑えるというか、ほほえましくなりました。若気の至りといえるがんばりっぷりが、それなりにかわいいです。

そして、やぱり探偵役の噺家さんが魅力的です。彼が解体していく謎も、関係者の心情を想像しやすい内容で、彼の推理は機知に富んでいます。
短編集ですし、通勤中など、ふだん時間のあるときの読みものにぴったりだと思います。

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

北村 薫 / 東京創元社


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by takibi-library | 2010-03-02 12:01 | いつも読書 | Comments(6)  

Commented by saheizi-inokori at 2010-03-02 15:44
そうなんですか。
私はこの女子学生が好きでこのシリーズすべて読みました。
好い家族だなあとあこがれたくらい。
男の見る目と同性の見る目の違いですかね^^。
Commented by takibi-library at 2010-03-03 09:21
そうかもしれません。でも、正ちゃんは好きですよ。
正直に言うと、主人公については、私が読んでいない本をきっちり読破しているのがうらやましくって、ちょっとしゃくなんですよね(苦笑)。
Commented by ましゅ at 2010-03-05 21:09 x
ぼくも楽しく読んだ記憶のあるシリーズです。
北村さんにも一度だけお会いしたことがあるし(微妙な自慢(^^))
この主人公は男性の描く女性キャラだなぁと思ったことがあります。
対極なのが宮部みゆきさんの女性キャラ。
男性視点からするとこんなにいじわるな女性キャラにしなくても・・・と思うことがしばしばありました。
言葉足らずだけど、ちょっとした感想です。
Commented by takibi-library at 2010-03-05 23:13
こないだの「クウネル」に北村さんのインタビュー@ご自宅が掲載されてました。感じのよさそうな人だな、と思いました。
宮部みゆきさんはほとんど読んだことがなくて。1冊で終わるミステリでは何がいいかな。
Commented by ましゅ at 2010-03-10 17:48 x
宮部みゆき作品では「火車」はずいぶん面白かったです。
(好き嫌いのはっきり分かれる作品だろうと思いますが)
Commented by takibi-library at 2010-03-10 20:26
「火車」ね。“こんなに”感高そう。
ありがとう!

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