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「寡黙な死骸 みだらな弔い」読了

最近更新の間隔が空いていますが、元気にしております。

正直なところ、ラオス旅行編が完結していないこと/書かなくちゃと思うことが、ちょっとした重しになっています。でも、本を読み終わると、それはさておいても書き残そうと思います。
それは、読みながらついふせんを貼ってしまう(本といっしょにふせんを持ち歩いている!)ようになっていることが原因だと思っています。
文庫本葉書用に引用をするわけですが、その引用部分は誰かに教えたい、知らせたい言葉です。本を読んでいるときに誰かに伝えることを頭のどこかで考えている体質(?)になっているんですね。きっと。

この本は連作短編集で、寝る前にひとつかふたつ読みすすめていました。
登場人物や場所が少しずつつながり、重なっているお話がまとめられているスタイルがもともと好きなので、どこの国かもわからない、この本の世界にすんなり入ることができました。
夏らしくちょっとぞっとする、ひやりとする話が多いのですが、さらりと乾いた感じです。それは、切ない話にも共通した感覚で、湿っぽくなく、そういうところが小川洋子さんの作品の好きなところです。押しつけがましくないところがいいです。
そして、美しいものの表現が華美ではなく、透明感があって、そういうものの持つ奇跡的な感じ、神秘的な感じにうっとりします。

引用は、その美しいもののところにするつもりです。

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)

小川 洋子 / 中央公論新社


by takibi-library | 2010-08-30 00:03 | いつも読書  

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