「いちばんここに似合う人」読了

読書会の課題図書でした。

新潮社クレスト・ブックス、ふだん敬遠しがちな海外文学です。敬遠といっても、きらいなのではなくて、日本の作家の作品に読みたいものがじゅうぶんにある結果として、です。海外文学を読む経験が少ないため嗅覚が未発達だと思っていて、自分の選択に自信が持てません。
けれども、今回のように人から決めてもらえるなら、それも本選びについて頼りになる人であればなおさら、気楽に読みはじめることができます。

「いちばんここに似合う人」は、女子っぽい本、だそうです。そう聞いて若干ひるみましたが、短編集だったせいか楽しく読めました。

主人公は、ちょっと(ときどきはかなり)奇妙な人、奇妙な行動をとってしまう人。それが孤独のせいだったり、その結果孤独になったりします。
描かれる奇妙さには、違和感や不快感があります。それを隠さない残酷さが女子っぽいのかな。
違和感や不快感を切なさに変換できるか。それが気に入る/気に入らないの境界線だと思いました。

いくつかの話は不快感が嫌悪感になったりもして、全部が全部よかったとは言えません。それは作品としてつまらないというのではなく、私のほうが楽しみ尽くせていないということで、ちょっとくやしい感じです。

この先読み返すときは、女子度がさらに下がって、楽しく読める話が減っているかもしれません。または、海外文学の経験値が上って、今回いまひとつ楽しめなかった話の魅力に気づけるかもしれません。
そんな今のところで、「水泳チーム」と「十の本当のこと」が気に入っています。

それから、とにかく気に入っている言葉(?)があります。
「2003年のメイク・ラブ」で、“わたし”がカウンセリングを受ける自分想像をするところに出てくる、「海より深い同情のまなざしパンチ」。この言葉がすごく好き。

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

ミランダ・ジュライ / 新潮社


[PR]

by takibi-library | 2010-09-12 21:43 | いつも読書 | Comments(0)  

<< 「COPPERS(1)」読了 「おぱらばん」読了 >>