「SOSの猿」読了:「SARU」の競作

話題の競作、五十嵐大介さんの「SARU」と伊坂幸太郎さんの「SOSの猿」。
アルバイト先の同僚が伊坂ファンで「SOSの猿」を持っているというので、わたしの「SARU」と正月休みの前に交換して読みました。

全然雰囲気が違います。

「SOS~」は東京都その近郊で展開していきます(「SARU」のほうは全世界を舞台にする壮大な物語でした)。
イタリアでエクソシストの助手をしていたことがあり、帰国後家電量販店で働く“私”と、株の誤発注事件の原因究明に当たるシステムエンジニア、主人公は2人。それぞれがそれぞれの事件を探るうちにつながっていくという展開です。

ミステリではないせいか、わたしが読んだことのある伊坂作品で感じられた「どうなっちゃうの?うわー」という、追い立てられる感じは控えめでした。それを期待してなくもなかったので、すこしさびしいところです(黒澤さんも出てこないしね!)。
それから、暴力の是非について問答が繰り返されるのですが、このテーマは、最終的にどうなったんだろう・・・と読み終わってから思ってしまいました。それなりに物語の終点を感じることはできた(カタルシスはあった)のだけれど、思い出しちゃうと気になるところです。

「SARU」との関係性は、“孫悟空”とそのほかの、両方に共通するいくつかの固有名詞によって、対を成す物語が点でつながっている印象です。交わりはしない感じ。個人的には「SARU」のほうが満足度高いです。

こういう“競作”という組み合わせの作品を読むのがはじめてで、だからどうなのかというと「ふうん」というだけなのだけれど、同じ材料で全然違う献立ができあがるものなのだ、ということだけはよくわかりました。

SARU 上 (IKKI COMIX)

五十嵐大介 / 小学館


SOSの猿

伊坂 幸太郎 / 中央公論新社


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by takibi-library | 2011-01-12 20:38 | いつも読書 | Comments(0)  

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