「海炭市叙景」読了

往来堂ですすめられて買いました。連作短編が好きなので。

よかったです。この作者の他の作品も読みたいと思いました。でも、この作品は彼の「新境地」であり、未完のまま彼は亡くなってしまったので、これに近い作品はないのです。

気に入ったところは、海炭市に暮らす人々それぞれをていねいに描いていることです。そのていねいさはまなざしのやさしさにきっとつながっていると思えます。そう思えることが、読んでいてしみじみと幸せな気分に(あまりいい話じゃないとしても)なります。

それから、人々がちゃんと仕事をしていること、書き手がその仕事に敬意を払っていることです。それは人間が生きていく上で、「仕事」は基本的なアイテムだと訴えています。生活のためにしかたなくでも、本当は別のことがしたくても、今の仕事をちゃんとこなしていく様子に、励まされたり、心が温かくなったりします。

この本はときどき読み返したり、旅の供にすると思います(絶対外さないのを1つは持っていたい性分)。

海炭市叙景 (小学館文庫)

佐藤 泰志 / 小学館


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by takibi-library | 2011-04-06 22:42 | いつも読書 | Comments(2)  

Commented by at 2011-04-07 15:06 x
この前、リトルフォレストを貸していた友人に「ひびさんは仕事を扱ってる作品がすきだよね~」と言われてはっとしました。そんなタイミングなので、海炭市~今日買って帰ろうっと。
Commented by takibi-library at 2011-04-07 22:38
花形じゃない、すごく稼ぎがいいのでもない、身近な職業の人々がたくさんでてきます。読み終わったら話しましょうね!

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