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最近読んだ本:蓮見圭一、長田弘、常盤新平

3人の作家に共通点があるような、ないような。

■蓮見圭一「水曜の朝、午前三時」
ずーっと前、この作品が単行本で出たころに、人にすすめられて読んだ記憶があったのですが、内容が思い出せないのに「あまりピンとこなかった」感覚だけが残っていました。
読み直してみて、ツボにはまることはなかったけれど、当時「大人が泣ける本」としてもてはやされた(?)理由はわかりました。
これまで生きてきて、「あのとき、もう一方を選んでいたら」という想像(妄想)ができる人はきっと素直に共感するのでは。

■長田弘「ねこに未来はない」
抜け目ない観察と繊細でうつくしい文章。なんとも不思議な本でした。わたしがねこ好きだったらもっとはまっていたのかな。おもしろかった。

■常盤新平「聖ルカ街、六月の雨」
桂子という日本人の娼婦(と、ずばり言う人はこの物語の中には出てこない)を中心とした人間模様を描いた連作短編。わたしは連作短編が好きだけれど、この作品は、読んでいてあまり気分が盛り上がりませんでした。それなりに楽しいのだけれど、「早く次が読みたい」とか「もう終わっちゃうよ」という気持ちにはならなかった。けれども、行ったことのないニューヨークの街の雰囲気が少しわかったような気がしました。わかったけれどそれはわたしにはあまり魅力的ではないかもしれない。

by takibi-library | 2011-05-10 21:25 | いつも読書  

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