「ゼラニウム」読了

堀江敏幸さんの短篇集です。

パリで暮している(暮していたことのある)日本人の男と、異国の女たちの話が集められていて、それぞれ、少し悲しかったり、色っぽかったり、おかしかったり、こわかったり、しました。

表題作「ゼラニウム」は、わたしにとってはとてもこわい話でした。
下宿の排水管の水漏れトラブルに奔走する男の、滑稽な話のはずなのですが、その水漏れの原因が明らかになる場面がこわかった。読んでいて「ひっ!」と身をすくめました(今も思い出して「ひっ!」となった)。

好きな話は「砂の森」と「アメリカの晩餐」。
「砂の森」には魅力的な本屋が、「アメリカの晩餐」にはひそやかですてきな食事が出てきます。本と食事。わたしの好きなものがあるってだけかもしれないけれど、読み終わりが穏やかな中にすがすがしさがあって、気に入っています。

そもそも、堀江さんの本で、気に入らなかったことは一度もないのですけどね。

ゼラニウム (中公文庫)

堀江 敏幸 / 中央公論新社


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by takibi-library | 2011-10-23 21:12 | いつも読書 | Comments(0)  

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