「夜中にジャムを煮る」読了

単行本が出た当時から、題名が何かの呪文のように「効いて」いました。
だから文庫化がうれしかったのですが、カバーが予想とだいぶ違っていたせいか、急に冷めてしまいました。でも、やっぱり読みたい。状態のいい古書が見つかったので即買いしました(そして即文庫本葉書化)。

読んだ日は、とくべつな原因もないのにちょっと気落ちしていました。分厚い本を開く気分じゃなくて、確実に楽しく読めるものがしい気分でした(この点、平松さんのエッセイはわたしにとってとても手堅い選択)。
そして、どこから読もうかぱらぱらめくっていたら、「今日は何も食べたくない」というタイトルを発見。食事を作るのがめんどうでめんどうで、そのだらしなさにまたへこむ、という状態だったので、迷わずその、最後から2つ目の文章から読みました。

読んで、とても楽になりました。
読んでから、妹に「今日の夕飯は頼む」とメールをして、ちょっと眠って、すっかり元気になりました。

ちっともシリアスじゃないし、おいしそうな話が満載で、全体的には楽しい本ですが、食べることは暮らしの中に(中心だったりすみっこだったりいろいろな位置に)あるものだということが、なんとなく実感できるような気がします。
実感しても、実感でなくてもいい、そんな押しつけがましくない「食の話」が集めてあることが、平松さんの本を求める理由です。

夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

平松 洋子 / 新潮社


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by takibi-library | 2012-03-07 23:05 | いつも読書 | Comments(0)  

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