ドーナツにおける「リング原理主義」

わたしはドーナツがすきだ。
家から歩いていける範囲にミスドがないことは実に嘆かわしい。けれど、最近はコンビニがドーナツを売りはじめ、ふだんコンビニに行くことがないわたしの、いただきもののQUOカードの使い道としてダントツ一位の座を獲得している。
そのくらい、ドーナツがすきだ。

5月の終わりに東北へ行ったときは、まさに僥倖であった。3日間、毎日ドーナツを食べた。同じ店の、いろいろな味のリングドーナツ。
そして、食べ続けたからこそ、気がついたことがある。

その店はおいしいと評判だけれど、市街からは電車で一駅のところにある。それが、わたしが訪ねて行くのに合わせるかのように、ターミナル駅に隣接する商業ビルに短期出店していた。新幹線で出かけるからにはと、あれもこれもと予定を詰め込んでいる身には、ありがたいかぎり。新幹線から降りて、そのまま店に向かった。

その店のドーナツはすべてイースト生地のものである、というところが、ツボだ。それほど大きくもないショーウィンドウをすみずみまで何度も見まわした。目を奪われるのは、やはりリング型のドーナツ。
穴のない、なかにクリームがつめてあるタイプも、説明書きを見るととてもおいしそう。クリームチーズとイチゴとか、スポイトでコーヒーシロップを自分で流し込むティラミス風とか、ぜったいおいしいやつだよ!と思うものばかり。でも、「ドーナツを食べるぞ」という心には、どうもしっくりこない。そして、リングドーナツのなかから、とりあえず2種類(おいしく食べられる数)を買った。
もちろん、あと2日、毎日通うことも店員さんに宣言した(もちろん、する必要はない)。

はたして、ドーナツはおいしかった。あえて宣言した自分をほめたくなるくらい。食べながら、「明日はどのドーナツを買おう」と思うくらい。

食べながら考えたときは、穴なしも試してみようなどと思ったものの、いざショーウィンドウの前に立つと、リングドーナツのほうが迫ってくる……というのを2日繰り返して、3日間、けっきょくリングドーナツばかりを食べた。

家の近所のパン屋には、リング型のドーナツがない。あるのは、あんドーナツとツイストドーナツ。だから、形に惑わされず、その日の気分と体調に合わせて選ぶ。穴の開いたドーナツがなければないで、ほかの形だろうと気にしない。

けれど、どうしたことか。ひとつリングドーナツがあれば、もうそれしか目に入らない。やはり、ドーナツ=リングなのだ。その穴に何があるのかはわからない。でも、それはたしかに魅惑の存在だ。
わたしがこんなにドーナツの穴に執着しているとは、知らなかった。

ところで、3日連続でドーナツを食べて以来、そういえばドーナツを食べていない。すきとはいえ、健康に気を付けるくらいには大人であるので、ドーナツを食べるのは月に1度か2度。2、3か月分食べたと思えば、このくらい間が空いてもしかたないのだろう。
でも、こんな文章を書いていれば、まぁ食べたくなるもので。明日は、穴がないやつでもいいから、ドーナツが食べたい。
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by takibi-library | 2016-07-03 13:43 | くらし | Comments(0)  

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