「李白の月」読了
2006年 06月 22日
南さんは言います。
志怪や伝奇の中にも、もちろんツクリモノは多く混入していたはずですが、それでも、ホントウに面白い話には奇妙なリアリティというものがあるのです。南さん、きっと満足してくれるだろうな、というくらい楽しめましたよ、私は。
おそらく、それは多くの人に長い時をかけて「信じられた」ことによるのではないか?と私は思っています。理におちず、唐突でアッケなくむしろ物足らないくらいなところにツクリモノと違うニュアンスがある。
私の好きなのは、この奇妙なニュアンスの「味」なのではないかとも思います。同じように、奇妙でバカバカしいことの好きな人にこの「味」を味わっていたあけたなら、それで私はとても満足です。
仙人の壺
南 伸坊 / 新潮社
by takibi-library | 2006-06-22 22:00 | いつも読書