「失踪日記」感想

「失踪日記」は、漫画家・吾妻ひでおさんの実体験の記録です。

話は3つあって、失踪→ホームレス→警察に保護される(捜索願が出ていたから)のが2話と、アルコール依存症になって、精神病院に入院して、治療を受ける1話です。

吾妻さんの絵の感じから、笑える雰囲気がいくらかあるのですが、描かれている内容はとても笑えるものではありません。とくに、本には出ていない、失踪中家に残された家族のことを想像すると、いたたまれない気持ちになります。

しかし、いたたまれない気持ちになるのは、作品の完成度の表れだと思います。
軽い雰囲気を持ちつつ、失踪やアルコール依存症を肯定したり、美化したりする隙がないのは、実はすごいことだと思います。


失踪日記
吾妻 ひでお / イースト・プレス
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by takibi-library | 2006-06-25 21:31 | いつも読書 | Comments(4)  

Commented by ましゅ at 2006-06-25 22:20 x
「全部実話です(笑)」という帯のコピーの(笑)の部分が凄い、と思いました。すさまじい、というべきかも。
Commented by takibi-library at 2006-06-25 22:30
たしかに、この(笑)には凄みがある。
失踪を繰り返したことも、家族に心配をかけたことも、もしかしたらまた・・・という気持ちも、全部背負った上での(笑)。
Commented by tirudai at 2006-07-01 13:13
これ、面白かったです、かなり!
サラリと読めるのは、やはり漫画だからでしょう。
締め切りに迫られて蒸発・・の展開は私も納期に追われる身として
かなり感情移入してしまいました。
でもそれから逃げたとしても、待っているのはもっと厳しい現実であることを
この本から学びました。
Commented by takibi-library at 2006-07-01 23:21
ある一定以上のつらい環境に置かれたとき、人は「逃げたら楽になる」という思いに取りつかれることがあるのでしょう。
私は今のところ、「もう辞めたい」と口に出して、家族や友人にぎゃーぎゃーと、ときにはぽつぽつと気持ちを吐き出してさえしまえば乗り越えることができる程度のつらさしか体験していません。だから、ホントに逃げたくなるほどのつらさ自体が、想像を絶する厳しい現実です。

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