西條八十「蝶」
2006年 07月 30日
西條八十の詩でいちばん好きなのは「蝶」です。
蝶
やがて地獄へ下るとき、
そこに待つ父母や
友人に私は何を持つて行かう。
たぶん私は懐から
蒼白め、破れた
蝶の死骸をとり出すだらう。
さうして渡しながら言ふだらう。
一生を
子供のやうに、さみしく
これを追つてゐました、と。
by takibi-library | 2006-07-30 11:43 | いつも読書