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西條八十「蝶」

西條八十の詩でいちばん好きなのは「蝶」です。


やがて地獄へ下るとき、
そこに待つ父母や
友人に私は何を持つて行かう。

たぶん私は懐から
蒼白め、破れた
蝶の死骸をとり出すだらう。
さうして渡しながら言ふだらう。

一生を
子供のやうに、さみしく
これを追つてゐました、と。

by takibi-library | 2006-07-30 11:43 | いつも読書  

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