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「霧の聖マリ(ある生涯の七つの場所1)」読了

*前の感想*

京都に行っている間に読んでいたのはこの本でした。

この本1冊に14の短篇があります。
読んで、私は短篇集が好きなのだと思いました。新幹線でたっぷり読み、食後に1つ、寝る前に2つ読んだり、生活のリズムを作れるような感じです。

14の短篇では、1篇ごとに3人の「私」が入れ替わり、立ち替わりで語ります。
昭和初期に役人として働き、役所を辞めてアメリカへ行く私。
その息子である私。
さらに、戦後フランスで語学を学び、翻訳業をしながら、ヨーロッパ各地の建築を巡る私。

時代も場所もめまぐるしく移動するのですが、ひとつひとつが短篇小説として完成度が高いせいか、読みながら混乱することも、つながりがわからないこともなく、再び読んで改めて構成のおもしろさを感じました。
7巻までまだたっぷり残っているのもうれしいです。6巻目くらいには、終わってしまうことがさびしくなることでしょう。

by takibi-library | 2006-10-03 10:12 | いつも読書  

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