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「ファンタジア」読了

ファンタジア
ブルーノ ムナーリ Bruno Munari 萱野 有美 / みすず書房





「ファンタジア」、もしかしたらすごい本なのかもしれません。

一度読み終わった今は、「ふーん、なるほどなぁ。ちょっと楽しいかも」という程度の気持ちなのですが、繰り返し読むたびに発見があるような予感がします。
むしろ問題は、私がまた読みたくなるか?ということです。この本は、言葉遣いも視点も小気味よく洗練されているので、読んでいて「(すてきさに)ついていけない」ときがあります。わが身を振り返って、語彙力のなさとか、のんきさとかが悲しくなってしまうのです。

そういう意味で、この本とは、ときどき1章読んで、その日その日のアイデアを生み出すヒントにするような付き合い方をすると、ぐっと身近に感じられ、この本の意図するところを実感できそうです。



ファンタジアとは、これまでになかった新しいことを考えださせる人間の能力である。ファンタジアは、まったく架空のもの、新しいもの、これまでになかったものを自由に考えていい。その考えが本当に新しいかどうか確認せねば、なんて心配しなくていい。それはファンタジアの領分ではない。
(略)
ファンタジアに恵まれた人とは、絶対的に新しいことを考えだす人ではなく、その人にとって新しいこと考えだす人のことだ。
このファンタジアの定義から思ったことは、①楽しくすることを考え続けること、②卑屈にならないことの2つです。

①楽しくすることを考え続けること
仕事にしても、日々の暮らしにしても、何をどうたら楽しいか?を細々とでも考え続けることがファンタジアの根底にある。

②卑屈にならない
考えついたことについて、卑屈にならない。「この新しさを公表する場合にかぎり、それがみんなにとって新しいのか、彼個人にとってだけなのかを見極める確認作業が必要となる」のだから、その考えが自分の内にとどまっている間は思いついたというよろこびに、素直にワクワクするほうがいい。

by takibi-library | 2006-11-20 10:30 | いつも読書  

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