「博士の愛した数式」読了

映画も大ヒットしたベストセラー作品です。
・・・というだけで、つい見て見ぬふりを続けてきましたが、友達が貸してくれたので読みました。

私にはちょっとあまのじゃくなところがあって、やたら売れているもの、人気があるものは少なくともそれがいちばんもてはやされているときには意識的に避けます。偏見ですが、よい評判しか聞こえてこないものに対して、「私はだまされないぞ!」と警戒心を抱いてしまうのです。

ということで、数年前は避けて通り過ぎた「博士の愛した数式」。数学という矛盾のない世界には漠然とした憧れがあったので、興味は多少ありました。友人が勧めてくれた(本も貸してくれた)という、自分への言い訳もたつので、すぐ読みました。

昨日と今日で読み終わったので、数学を扱っているとはいえ、読みやすかったです。いろいろな数式の持つ意味、数の不思議などがつまびらかになるところは、高校~大学の4年間をかけても行列が理解できなかった私でも、じゅうぶんカタルシスが得られました。ちょっと数学のことを勉強してみたくなります。

でも、小説としては、うまいな~・・・と思ってその先が続かない感じです。読んでいてわくわくするし、登場人物もきちんと一人立ちしているし、あっという間に読むくらい引き込まれもします。
ただ、読み終わってから、その引力は跡形もなくなくなっていました。

どうも、語り手である主人公の主観が強すぎて、かつ、私がその主観に共感できないようです。
なんとなく、「ほんとにそうなのかな?あなた(主人公)がそう思っているだけなんじゃないかな?」と思ってしまうのです。
「僕」や「私」が語る物語が苦手というのではないのですが、今回は、私のあまのじゃくなところが出て、ちょっとひとりよがりな印象を受けてしまいました。

それから、主人公の作る料理にあまり心惹かれませんでした。それは献立がどうとかいうのではなく、私の場合、物語に食べ物が出てくると、ぐっと気分が盛り上がるのですが、それがあんまりなかなったなぁと。

映画はどうだったのでしょう。


博士の愛した数式
小川 洋子 / / 新潮社
ISBN : 4101215235
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by takibi-library | 2007-02-22 16:04 | いつも読書 | Comments(0)  

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