「不毛地帯(一)」読了

第1巻では、主人公・壱岐正の近畿商事への入社と、終戦~シベリア抑留~帰国の回想が交互に展開される構成でした。

内容は緻密な取材に基づくであろうということがひしひしと感じられ、小説というよりノンフィクションのような雰囲気です。えらそうなことを言ってしまうと、小説的な場面の楽しみがちょっと薄い気がします。たとえば、近畿商事社長の大門とその愛妾とのやりとりや、秋津中将の遺族のエピソードがちょっと浮いてしまっているのが、もったいないです。
・・・って、私がそういう人間の機微に興味があるってだけのことなのですが。

それにしても、シベリアでの日本人捕虜の扱われ方は読むのをやめたくなるほど、酸鼻を極めたものです。私は恥ずかしながら、ここまでひどいものだったとは知りませんでした。そして、シベリアから戻ってきた人々をアカとして差別したことも。

その点で、この本は読んでよかったと思っています。
第2巻以降、近畿商事内外でのいろいろな駆け引きが楽しみです。

不毛地帯 (1)
山崎 豊子 / / 新潮社
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by takibi-library | 2007-04-14 21:15 | いつも読書 | Comments(0)  

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