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「花の生涯(上)」読了

井伊直弼、見た目は具体的に語られないのですが、性格はとてもハンサムです。彼を取り巻く人々の中では、彦根にいる側室の里和がいいですね。わかりやすくて、直弼とのやり取りはありきたりながら、言葉の端々にほほえましさがあります。

直弼への想いから、所帯を持っても夫に隠れて彦根の密偵として働きつづけるたか女は、どこまで本気で、どこまで打算で、そしてどこからが長野主膳のためなのか・・・計り知れないところが、ちょっと怖いです。
賢く、見目も良く、三味線の腕前も一流、悪く見れば、誰にでもいい顔をしているとも言えるし、なんとなく「本章を見極めてやるのだ!」と構えてしまいます。

開国の決断まで、どのような攻防が繰り広げられるのか、みんなが知っている直弼の最期まで、これらの人々がどのように時代に対峙していくのか、下巻も興味深いところが盛りだくさんです。

花の生涯 下 新装版 (3)
舟橋 聖一 / / 祥伝社
ISBN : 4396333528

by takibi-library | 2007-05-07 22:01 | いつも読書  

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