「検事の控室」読了

著者は

「読者の方々が、この「物語」を探偵小説的興味としてではなく、いずれもわれわれと共に生きている実在の人間が、生きるために迷っている姿に対し、怒るべきを怒り、同情すべきを同情し、真の人生を知る一つの材料として味わっていただきたい」

と言いますが、実際、探偵小説的にもおもしろい作品なので、そういう楽しみ方を許してもらいたいと思いました。

その上で、それが実在であることを思い、人間というものの所業に恐ろしく、悲しくなります。しかし、同様に実在している著者が真摯な思いをもって解決することで救われます。
こんなふうに書くと、きれいごとのように聞こえるかもしれませんが、読んでいるうちに、そうではなく、厳しさをもって、あるべき姿を示されているのだと思いました。


検事の控室 改版
出射 義夫 / / 中央公論新社
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by takibi-library | 2007-06-25 22:12 | いつも読書 | Comments(0)  

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