「こんな生活」:生活をそれとなく省みる。

大田垣晴子さんの本は、ときどき手にとってしまいます。
今も読みかけの本、感想をまとめないといけない本がいろいろあるのに、つい読んでしまうのです。

イラストつきのエッセイというか、エッセイまんがというか、ほかにはない大田垣さんのスタイルと画風が大好きで、読むと心が伸びやかにほぐされる感じがします。
今もちょっと肩肘つっぱっていることを自覚していて、「そんなに無理するな、自分!」と思って、読みたくなったのかもしれません。

「こんな生活」は大田垣さんのまだ本になっていない作品で、生活に関して描かれたものを集めた1冊です。
それほど広くない古いマンションの和室のある1室、少な目の家具、朝ごはんのみそ汁、作品を描くのに使うふつうの文房具。そういったありきたりの生活を、ちゃんと「ありきたり」感も伝わるように表現できるところが大田垣さんの画力、表現力だと思います。その正直さが清々しいです。

今、日々の暮らしについてかかれたものは、本も、ブログもたくさんあると思います。このブログもそのひとつと言えるでしょう。
どこへ行った、何を観た、これを買った、あれを食べた、という生活について書いてあるものは、たくさん並んでいるほどうつろな印象を持つものもあるし、見られることを前提にした「飾らない」暮らしぶりもあります。
ときどき、私も本以外のことを書き続けてしまうと、そんなふうになっているのではないかと心配になります。

私の場合、いろいろと並べ立てることで充実していることを感じたい、人から見て「いろいろある」と思われることで充実感を得たいだけなのではないかと自分自身を疑うようにしています。逆に、この数日のように書き始めるまでに時間がかかるときの不安も疑います。そんなに悪い状態なのか、悪い状態だと思い込みたいだけなんじゃないかと。

昨日ふと手に取った大田垣さんの本を読んで、気持ちがニュートラルになった気がします。
ゆったりとした気持ちで、こんな私の生活を省みて、過剰な充実感も不安もなく明日を楽しみにする気持ちが湧いてきました。

こんな生活
大田垣 晴子 / / メディアファクトリー
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by takibi-library | 2007-08-05 16:45 | いつも読書 | Comments(0)  

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