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「猫と針」を観ました。

演劇集団キャラメルボックスの「猫と針」を観てきました。
これまで機会がなくて観たことがなかったキャラメルボックスのお芝居。チャレンジシアターという若手の役者さんによる企画なので、チケット代がちょっと控えめです。

ただ、それ以上にこれを観る気になったポイントは、恩田陸さんの戯曲であるということです。
すでに人気小説家として有名な恩田さんですが、実はその作品をまだ読んだことがありません。どれから読もうかと書店に行くと、恩田さんの本はたくさんあって、どれから読んだらいいか迷ってしまって、何となく面倒になって買わずに帰ってきてしまうのです。
なので、いきなり戯曲からもどうかと思いますが、いいきっかけかと思っていくことにしました。

前置きが長くなりましたが、そんなはじめてづくしの感想。

おもしろかったです。まず、シチュエーションがいいですね。「人はその場にいない人の話をする」という、いわれてみれば普遍的な、でも好奇心をそそる状況は、観る側にも経験があって、感も強いです。その分、登場人物ひとりひとりの思惑、不安、嫌悪感、後悔、安堵・・・さまざまな心の動きに触れることができます。

途中「まいったな~」という気持ちもちょっと混ざったクスクス笑いが広がることもありました。
そう、あのとき私が感じたうしろめたい楽しさが眼の前で繰り広げられているのです。まいりました(笑)。

結末は、恩田陸の作品を読んでいる友人の評に思わず「納得!」というものでした。
その友人の恩田陸評については、彼女のすすめで読んでいる1冊が終わったときに。




このお芝居の登場人物は高校の映画同好会でいっしょだった男女5人ですが、みんなよくある苗字です。佐藤、鈴木、山田、高橋、田中、といった具合。
それでひとりが言います。「珍しい苗字だったら、人生が変わっていたのではないか」と。

私は珍しい苗字なのですが、どうなんでしょう。
いろいろ面倒なことが多いのはたしかですが、人生が変わるってほどのことはない気がします。
ただ、性格には若干影響があるかもしれません。

by takibi-library | 2007-09-01 22:55 | 鑑賞  

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