「ぬしさまへ」、「ねこのばば」読了

「しゃばけ」シリーズの第2弾、第3弾です。1作目より確実によくなってきています。

1作目と異なる点は、ひとつひとつの話が短い捕物帖のような形式になっていることです。1冊目では全編通しの1つの話でしたが、続く2冊はそれぞれ4つのエピソードが収録されています。

「ぬしさまへ」と「ねこのばば」との違いは、「ねこのばば」のほうが人間の心の暗い部分、もろい部分が事件の核心にあるケースが多いところにあります。
そのため、単なる捕物帖としての一件落着!とはならず、人間が生まれながらにして持つ悲しみ、切なさがあとを引く、余韻のある結末になっていて、ぐっと読み物として深くなったように感じました。
また、若だんなの二人の手代兼兄やの二人、仁吉と佐助の過去の話もあります。これがそれぞれの個性が映し出されていて、おもしろかったです。

このシリーズを読んでいると、江戸の商家についていろいろ知ることになります。町人物はいろいろあるけれど、自然に具体的な商売のシステムを解説していてうまいなぁと思います。
とくに、若だんなの幼馴染み、栄吉の家は小さな和菓子屋で、若だんなの家のような大店(廻船問屋兼薬種問屋)とは、同じ町人でも感覚の違いや、わきまえるべき家柄の差が厳然とあることが、読者にも「それは当たり前のこと」として、かわいそうでも、ひどいでもなくちゃんと伝わってくるところにそれを感じました。

つづきが楽しみなシリーズです。長く続いてほしいと思います。

ぬしさまへ (新潮文庫)
畠中 恵 / / 新潮社
ISBN : 4101461228




ねこのばば (新潮文庫)
畠中 恵 / / 新潮社
ISBN : 4101461236
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by takibi-library | 2007-09-09 16:49 | いつも読書 | Comments(0)  

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