「寝ぼけ署長」読了

読み終わりました。おもしろかったです。

こういういい話を素直に「いい話だなぁ」と思える余裕をいつも持っていたいと思いました。しかし、ただのいい話ではなく、寝ぼけ署長=山本周五郎自身の生きるうえでの哲学、思想が深いところを流れています。だから、ぐっとくる感じにずっしりとした重みがあります。

とくに、弱いものへの慈しみは底なしに深いのですが、弱さに寄りかかっていることはしっかりと見抜きます。そのように、ひとりひとりの奥底にある「本当のところ」をつかむ観察眼をもっていること、それが署長のすごさです。

重くてすごい、でも、嫌味じゃない。それがこの本の、山本周五郎の魅力だと思います。

最後に、自分への戒めの言葉。
実行力の伴わない知識、社会的に個人の能力を高めざる知識、これらのただ知ることで終わる知識は恒に必ず人間をスポイルするだけだ。

寝ぼけ署長 (新潮文庫)
山本 周五郎 / / 新潮社
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by takibi-library | 2007-10-03 20:45 | いつも読書 | Comments(0)  

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