「バスカヴィル家の犬」:ワトスン君は気のいい男

ホームズシリーズ、まだまだ続きます。
「~冒険」の次は長編にしました。この「バスカヴィル家の犬」では、ワトスンがひとり現場に派遣され、活躍します。

彼がホームズにあてた手紙や、彼自身の日記からは、「活躍してる」とワトスン自身は思っているのがよくわかります。しかし、私(たぶんほとんどの読者)は気づいているのです。ホームズにはたいしてほめてもらえない、または、ほめてくれてもワトスンにとって心地いいほめどころじゃないところに対してであることを。

ホームズに誰よりも近い存在と自認するワトスン君。
ホームズの人柄をいちばんよく理解しているはずのワトスン君。
ホームズの自尊心に何度もむかついているワトスン君。

そんな「成果」じゃ、ホームズはほめないよ。わかっているでしょ?
いかにも自信ありげにホームズに報告するワトスン君は、かなり痛いです。
どうして懲りずにホームズのそばにいるんだろう?おもしろい事件と、ホームズの鮮やかな推理に立ち会えるから?でも、それだけ?

私だったら、もうちょっとうまくほめてもらえないと、ついていけないです。
ホームズのように1ほめたあと、3落とすみたいなほめ方では、次がんばれません。

ワトスン君は芯から気のいい男なのか、実は腹の底でホームズをののしったりさげすんだりしているのか?
どちらにせよ、(設定上)ワトスン君が記録してくれてこそ、私たちはホームズの活躍を知りえるのですから、ワトスン君には感謝です。

バスカヴィル家の犬 (光文社文庫 ト 2-7 新訳シャーロック・ホームズ全集)
アーサー・コナン・ドイル / / 光文社
ISBN : 4334761801
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by takibi-library | 2007-10-27 21:27 | いつも読書 | Comments(2)  

Commented by L子 at 2007-10-29 23:54 x
私はシャーロック・ホームズシリーズのことには疎いのですが、今日のkunugieのブログを読んで、もしかしてこの「ホームズの友人のワトスンが語る」という構成がこの小説の成功の大きな要因なのかもと思いました。もしホームズの一人称だったり、ホームズ一人の三人称だったら、すごく上から目線でイヤミな感じになりそうじゃん。笑
この快刀乱麻なホームズ氏と、彼の頭良すぎて嫌味なところもひっくるめて受け止められる気のいい(懲りない?)ワトスン君、というコンビがバランスいいんだよ、きっと。
Commented by takibi-library at 2007-10-30 23:39
ホームズの一人称!想像しただけで感じ悪いよ(笑)。
そうね。やっぱりこのでこぼこコンビがいいんだね。

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