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病院の蔵書

昨日、私の家から程近い病院に入院している友だちを見舞いました。
来週半ばに退院ということで、ひと安心。病棟の共有スペースでのんびりおしゃべり。

そこへ、エプロン姿の(=看護師さんではない)女性二人が小さなワゴンを押して登場しました。移動図書館だそうです。ワゴンには50冊くらいの本が詰まれていました。

私はもちろんじろじろと観察。
全体的には脈絡のなさ過ぎる、たぶん本を選んでいなくてとりあえず冊数の下限だけを守っている感じの並びでした。でも、1冊1冊を見ていくと「おっ?」と目を引くものあるんです。たぶん絶版になっている角川文庫の山田風太郎作品とか、ヴォネガットの単行本とか、よほど手にとっちゃおうかと思いましたが、私は見舞い客。棚に戻せない危険を踏まえ、ぐっとがまんです―でも、タイトルだけでも控えておけばよかったな。山田風太郎のやつなんて、全然見たことがないタイトルだったもの!

友だちが本を選んでいる間にエプロンの女性に聞いたところ、蔵書のほとんどは退院した患者からの寄贈だそうです。それゆえ、やたら古い本があって、往年の大ヒット作(差し入れられたと思われる)が多いという傾向があるみたいです。
でも、全部寄贈で入院患者が借りるにしても、貸出・返却の記録をまったくとらないのはちょっと驚きました。価値がわかる人だったら、きっと「こんなところにおいておくのはもったいない!と思ってしまうはず。

最近通っていた別の大病院にも「患者図書室」というのがあって、なかなか開室時間と私の病院にいる時間が合わずに終わったこと、そして、友だちのいる病院の図書室で埋もれているであろう名作たちを思うと、こっそり地団駄を踏んでしまいます。

まったく、何しに病院へ行っているのだか(笑)。

by takibi-library | 2008-02-16 09:26 | 図書室たき火 実践編  

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