「薬指の標本」:やっぱり気に入りました。

昨日は仕事で暇疲れしてしまったので、夕食もそこそこにお風呂に入り、8時前からベッドの上でごろごろしながら本を読みました。疲れたといっても本を読む気力体力があるくらいですから、たいしたことはありません。
でも、今読みかけの2冊の続きを読むは気が重かったので、弱っている自分を甘やかして小川洋子さんの「薬指の標本」にしました。こういうときは、いかにも自分が気に入りそうな、すっと入っていけるような世界の話がいいのです。がんばらないと理解できない評論とか、なじみのない世界の物語はこのさいパスしてしまいます。

この本には2つの作品が入っていて、1つめが表題作「薬指の標本」です。期待どおりのひっそりと穏やかで、不思議な世界の話でした。
標本室で働く主人公と、その標本室の主である標本技術者の関係は、温度が低くて密度が濃い印象を受けました。靴磨きのおじさんに二人の関係の危うさを指摘されてからも、主人公は動こうとしません。そして、最後にある決意(というほど熱意はこもっていない)をするのですが、それがこの小説の世界で私が求める結末でした。

その決意は現実の世界では私は共感しません。でも、本の中ではそれしかないと思います。これって、私も主人公のような選択を実はしたいのかなぁなどと、ぼやぼや思いながら眠って朝を迎えると、やっぱりありえないなぁといつもの気持ちに戻っていました。

今日は仕事が暇なので休みを取りました。
朝からちょっと出かけて、それから確定申告の準備などをしようと思っています。

薬指の標本 (新潮文庫)
小川 洋子 / / 新潮社
ISBN : 4101215219
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by takibi-library | 2008-02-20 06:53 | いつも読書 | Comments(2)  

Commented by bara_aya at 2008-02-22 00:04
この世界観に私はとろ~りと使ってしまいました。
映画も観たいと思っているんですが
Commented by takibi-library at 2008-02-22 08:21
baraさん、トラックバックありがとうございます。
「とろ~り」伝わりますよ。
私は小川作品の世界にある「モノ」に強く惹かれます。標本室、サイダーの工場、レモネードとチョコレート、靴磨きの道具・・・そういったモノの存在が(私にとっての)小川作品の世界観を作っていると思っています。

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