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「自分自身のことを知るのって、刷毛で砂をはらって発掘するような作業です」

タイトルの言葉は、先週私が友だちへ宛てて書いたメールの一節です。
というのも最近、自分自身について新しい側面が見えてきて、それが、「やっぱりな」とも「意外だな」とも思えたのです。
自分を発掘する作業中、刷毛で砂を払っているうちに「おや」、と思わず手を止めて、しげしげと眺めてしまった、というところです。

大学を卒業してから、大企業に入って、ビジネススクールに通ってと、私の生活圏は数年おきにドン、ドンと拡大しました。
大きな組織でそれなりに場所を見つけることができて、日々ほめられたり、「ありがとう」と言われることは、私にとっては難しいことだと思っていたので、意外なことでしたがやっぱりうれしかったです。そして、ビジネススクールでは、自分と違う職業の人が、さまざまな価値観や目標を持って集まっていたので、目新しいこと、おもしろいことをたくさん知りました。

それらを経て今、家から10分のところでファクトリー的な事務の仕事をするようになって、再び生活圏がコンパクトになりました。やりたいことがあって選んだことなので、生活の規模については全く意識していなかったのですが、これが意外といい感じです。
1年間週休3日の暮らしをしてみて、実は「本のこと」と同じくらいに、こんな単純で小さな生活がしたかったんだと気がつきました。

1年間やってみてわかったというより、そんな自分を受け入れることに1年かかった、ということなのかもしれません。今となってはどちらでもいいことですが、やっぱり「のんびりしたい」とか「バリバリ働きたくない」と言うのは、ダメな人みだいだから。
でも、それが健康でいられたり、機嫌よくいられたり、最終的には、なるべく人に迷惑をかけずに生きていくことにつながるのであれば、小さな自分の小さな暮らしをまじめに送っていけばいいのだと思います。

生活の範囲が小さくなったとしても、受け入れたことで、これまで選択肢に入っていなかった新しい方向性が見えてくるでしょうから、案外また忙しくなるかもしれません。
この先どうなるかわかりませんが、自分のことですから前向きであれば大丈夫な気がします。

でも、まだまだ自分で気がついていないことはたくさんあるし、それは一生かかっても全部は見えてこないと思っています。ときどきはじっくり発掘作業をする時間をこれからも持ったほうがいいかもしれません。

by takibi-library | 2008-04-01 08:59 | くらし  

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