「空中ブランコ」読了、お芝居も観た!

直木賞受賞作と知って読むのは、久しぶり?はじめて?でしたが、それを抜きにしてもおもしろかったです。

はちゃめちゃなのか、名医なのかわからない精神科医・伊良部の診察室を訪れる患者たちの視点で物語は進められていきます。そのため、それぞれの心の病の原因が読み手にひしひしと伝わってきます。でも、本人たちはそれになかなか気づかなかったり、目をそらしていたりするので、それがもどかしいです。ただ、彼らは極端ですが、そのちょっと程度の軽いものなら、ふだん自分も感じたり、こだわったりすることです。「あるある」と思ったら、要注意かなぁ・・・とびくついて読み進めるスリル(?)もあります。

1作目の「イン・ザ・プール」よりキレイな話がそろっていて、より患者の内面と、周囲との関係性に焦点が当たっていました。エキセントリックなところはややマイルドになりましたが、物語のおもしろさとしては、「空中ブランコ」に収録されたもののほうが上だと思います。とくに、「義父のヅラ」は爆笑!電車の中などで読まないほうがいいです。

強いて難をあげるとしたら、同じような読後感のものがそろってしまったことでしょうか。カタルシスがあることはいいことなのですが、もったいない気がしました。

ところで、この本の表題作「空中ブランコ」のお芝居も観ました。話は少し変わっているのですが、原作の印象が損なわれることなく、同時に別の物語としても楽しめました。
雨上がり決死隊の宮迫さん演じる伊良部先生には、佇まいだけで笑いがこみあげてきました。いい!と思ったのは、佐藤江梨子さん。伊良部先生付きの看護婦・マユミちゃんの役なのですが、まさに原作のイメージそのままです。

仕事帰りに急いで駆けつけて観ましたが、疲れが吹き飛ぶおもしろさ。5月5日までですが、おすすめです。

空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)
奥田 英朗 / / 文藝春秋
ISBN : 4167711028
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by takibi-library | 2008-05-01 09:26 | いつも読書 | Comments(0)  

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