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「レクイエム」読了

センチメントが心地よい小説でした。こういうの、けっこう好きです。

主人公である「私」はある詩人(個人)と対話するために夏のリスボンを訪れます。
そして、街で詩人をはじめとするさまざまな人と語らい、思い出をたどるというセンチメントな行為が描かれていくのですが、さらりと物語は進んでいきました。

人にはそれぞれに思い出があり、すでに亡くなった人とそれについて分かち合いたいと思うものだということ。
次のステップへ進むためにあることに気持ちの上でケリをつけないと、どうしようもないときがあるということ。

そういうことは誰もがひとりでそっと行っていることだと思います。
ひとりでどうにかすることの痛みをわかってもらえたというカタルシスがありました。

よかったです。

レクイエム
アントニオ タブッキ / / 白水社

by takibi-library | 2008-06-01 22:28 | いつも読書  

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