「私家版」読了

本を使った復讐の物語です。

復讐することははじめから明らかにされているので、それにいたる理由と具体的な方法が読みどころです。私の場合は映画のほうを以前観ているので、その辺もだいたいわかっていましたが、ぞくぞくするようなスリルはじゅうぶん味わえました。

復讐する側とされる側が少年期に出会い、文学でつながり、成人してからも編集者(出版社社長)と小説家として、それなりに近しい関係を保ち続けていることが、復讐心の根深さと、不敬な無関心の残酷さを強調します。
また、ところで、主人公(復讐する側)は30年以上、嫉妬心と復讐心を引き連れて生きてきたわけですが、軽い言い方になりますが、よく長続きしたなーと思います。それだけ理由が大きく重かったのではありますが、このある種の根性とも言える男の執念が恐ろしいです。

復習劇には珍しいと思うのですが、物語は主人公のハッピーエンドになっています。
主人公を救う(?)存在が現れるのです。
因果応報ではないところが新鮮に思えるのは日本人的なのでしょうか。

私家版 (創元推理文庫)
ジャン=ジャック フィシュテル / / 東京創元社
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by takibi-library | 2008-07-03 12:16 | いつも読書 | Comments(0)  

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