「当世凡人伝」読了

おもしろくて、好きでもあるのですが、不思議な短編集でした。

私自身も含めた“凡人”の小ささ、奇妙さ、弱さとそれらが組み合わさったときのこっけいさが描かれているので、共感するところとあまり見たくないところ、どちらもクリアに見えます。
でも、読み終わった直後「あれ、ここで終わるの?」と思うこともありました。登場人物たちの長い人生の一部をただぷつん、ぷつんと切り取ったようなそっけなさがそう思わせるのですが、それはいやな感じではなく、むしろ新鮮でした。

新刊書店、古本屋、どちらへ行っても名前を探してしまう作家になりそうです。

当世凡人伝 (1980年) (講談社文庫)
富岡 多恵子 / / 講談社
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by takibi-library | 2008-07-17 08:34 | いつも読書 | Comments(4)  

Commented by tak at 2008-07-17 19:32 x
こんにちは。
いつも楽しく拝読しております。

わたくしごとですが、昨日友達に、夏に読むのにぴったりの小説は?って聞かれまして、そくざに「こころ」じゃない? あとつぐみとか、と答えたんですが、どっちも読んだからなーと言われまして、その後が出てきませんでした。たきびさん(でいいのでしょうか?)なら何がオススメですか。もしよろしかったらお答えいただけると嬉しいです。
Commented by takibi-library at 2008-07-18 08:51
takさん、はじめまして。読んでくださってありがとうございます。
質問の答えは、今日付けの投稿を参照してください。

ところで、「こころ」はこの夏、新潮文庫から限定カバーが出ましたね。白地に金文字がステキなので、私は買い替えるつもりです。
漱石でしたら、個人的には「それから」もいいと思います。有名な作品ですから、お友だちも呼んでいらっしゃる可能性大ですが。

「つぐみ」はよしもとばななさんの、でしょうか?私はよしもとさんの作品をほとんど読んでいないのですが、「デッドエンドの思い出」は名作だと思います。季節を問わずおすすめしたい作品です。
Commented by tak at 2008-07-18 10:22 x
わざわざエントリーまで作ってお答えいただきまして恐縮です! 伊坂 幸太郎が特に気になります。読んでみようと思います。
漱石はやっぱりすっとした文体が夏向きなかんじですよね。つぐみは吉本ばななので的中です。ほとんど読んだつもりでおりましたが、『デッドエンド』はまだでした。こちらも読んでみます。
いきなり書き込みまして、注文までだす不躾に親切にしていただきまして、感謝しております。ありがとうございました。
Commented by takibi-library at 2008-07-18 21:53
こちらこそ、お題をいただいて楽しかったです。

伊坂幸太郎さんは、コメントを寄せてくれるヨシカズさんにすすめていただきました。「重力ピエロ」以来少しずつ、私の本棚で陣地を広げている作家さんです(笑)。
「デッドエンド~」も人からすすめられた作品ですが、私にとってはへこみかけたときに読むと確実に効く1冊です。

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