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「避暑地の猫」読了

もやっとした読後感です。でも、不満だとか、感じが悪いとかいうのではなくて、ただ深い霧に包まれただけのような、ニュートラルなもやもやです。

殺人事件の犯人による告白なのですが、物語のテーマが謎解きではないので、わからないまま残されることがいくつかあります。そして、人間であるがゆえに多かれ少なかれ心に持っている悪意について考えざるを得なくなります。自分自身、親しい人、愛する人の心にきっとある悪意について。

謎のまま終わることにもやっとし、重い問題にもやっとする。

もやもやを全て解消する気力のない私は、どちらも軽井沢の霧の中に閉じ込めて次の本へ向かいます。

避暑地の猫 (講談社文庫)
宮本 輝 / / 講談社

by takibi-library | 2008-07-24 21:58 | いつも読書  

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