「古道具中野商店」読了

この前の投稿のコメントに書いたとおり、物語の終わり近くは、すかっとするスピード感がありました。伸びやかな読後感がよかったです。

登場人物は(スケールが)ちっちぇー人間で、人に対してちょっと(あるいはかなり)怖がりです。でも、一緒に過ごすうちに親密な空気はちゃんと生まれて、うっすらと隙間を埋めていきます。熱い言葉や、積極的な気持ちをぶつけるのはすごく勇気がいるから、ふだんのやりとりの中に少しずつ含ませたり読み取ったりしてどうにかしようとするのだけれど、それはどうにかなったりならなかったりします。そのもどかしさに、こういうのいいよね、としみじみ思いました。
じんわりとした味わいが、秋の休日にはよかったです。

ところで、私が雑誌「クウネル」を講読している理由のひとつが、毎号、川上弘美さんの短編が掲載されることです。特集記事の内容によっては、真っ先にその短編から読むこともあるほど。
それをまとめた単行本がいつか出ると思うと、わぁっと顔がゆるんでしまいます。いつも、そのくらいいいです。

古道具中野商店 (新潮文庫 か 35-7)
川上 弘美 / / 新潮社
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by takibi-library | 2008-11-03 21:24 | いつも読書 | Comments(0)  

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