「楢山節考」:すがすがしい物語。

家でブックピックの作業をしているときに、ふと手を止めて読んでしまいました。

前にも読んだのですが、この「楢山節考」は姥捨てを描いた物語です。
姥捨てには暗い、触れずにすませたいようなイメージがありますが、物語自体はたんたんとしています。それは、この村の人々の生活には姥捨てという行為が当たり前のこととして受け入れられているからです。
“おばあやん”のおりんは家族の一員としての役割を果たすべく、お山へ行くための準備を熱心に着々と進めます。いかに潔く、美しくお山に行き、眠りにつくか。おりんはそのために振る舞い酒を仕込み、家族のための保存食を用意し、老いて食が細くなったことを演出するため自ら歯を折ります。
おりんの息子の辰平は、そんな母の様子を見るともなしに見つめながら、母を山に置き去りにする悲しみ、苦しみを引き受ける覚悟を静かに固めていきます。

読み終わると不思議にすがすがしい作品です。

楢山節考 (新潮文庫)
深沢 七郎 / / 新潮社
ISBN : 4101136017
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by takibi-library | 2008-11-07 21:12 | いつも読書 | Comments(0)  

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