「青いエチュード」読了

ブックピックのミーティングで、文庫本葉書のバリエーションを増やそうということになりました。そのために、これまで自分が読んでこなかったジャンルや作家の作品に触れるため、ブックピックの在庫から課題図書を持ち帰って読んでいます。
これもその1冊で、鮎川哲也が昭和30年代に発表した作品を集めた短篇集です。
あまり緻密な作品はないけれど、どこかコミカルで、探偵のキャラクターがくっきりしているところが読んでいて楽しいです。ミステリなのですが、“おもしろい”より“楽しい”がしっくりきます。
何の説明もなくパイプや煙草のブランド名や、洋服の素材を表わすカタカナ言葉がふんだんに出てくるのは、当時としてはおしゃれな要素になっていたんじゃないかなと想像します。なんといっても、“端麗な探偵”である星影龍三の姿を描写するくだりにぐっときました。
真中からポマードでピッタリ左右に分けた黒髪、グルジア人のような輪郭の顔、秀でた眉が白い額に濃く映え、唇は女のように赤い。鼻筋は高くとおり、一点の非のうちどころもない。
話を聞き終ると、星影氏はつづけざまに二つ頷いて、長い脚をくみかえ、おもむろにヴァージン・ブライアにグレンジャーを詰めた。そしてロンスンのライターでカチリと火をつけると、一分のすきもない洗練された動作でプカリと一服する。
カタカナ言葉に楽しさがきらめいている、そんな感じです。

鮎川哲也初期コレクション〈2〉青いエチュード (河出文庫)

鮎川 哲也 / 河出書房新社


↑なんか表示が変わったみたいです。いつもと同じにやったんですけど。
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by takibi-library | 2008-12-01 18:20 | いつも読書 | Comments(0)  

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