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「村田エフェンディ滞土録」読了

「家守綺譚」を読んだときに、taoさんから教えてもらった姉妹編にあたる本です。「家守~」の主人公、綿貫の友人でトルコに留学している村田君の物語。

読んでみて、えらいことだと思いました。「家守~」のときもそう思ったのに、こちらがまたよい。もしかしたら「家守~」以上に気にっているかもしれません。
第一次大戦前のトルコに留学している村田君が人種のるつぼでの暮らしを描いているのですが、そのときどきの村田君の心情が今の日本人(私)にも大いに共感できます。

村田君の周囲には本当にいろいろな国の人がいます。
下宿の大家さんであるディクソン夫人はイギリス人、同じ下宿に暮らすギリシア人のディミィトリス、ドイツ人のオットー、下宿での家事を取り仕切るムハンマドだけがトルコ人で下宿で唯一のムスリム。
人間以外ではムハンマドが拾ってきた鸚鵡、アフメット爺さんの驢馬。
さらに、ときどき村田君を悩ませる神様たち。
どれもこれもが、いい。

彼らとの日々は村田君の帰国でひとたび終わり、その後第一次大戦が始まり・・・という後日譚で終わるのですが、最後の3行はほんとうにぐっときます。涙が出ます。

いつか文庫本葉書に入れたいです。(結局これかよ・・・。)

村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)

梨木 香歩 / 角川書店



私を“綿貫”としたら
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by takibi-library | 2009-09-29 12:29 | いつも読書 | Comments(7)  

「ハミザベス」読了

既刊5冊のうち3冊読んでいたら、「最近の作家さんの中ではよく読んでいるほう」と言っていいのかなと思います。
栗田有起さん。「オテルモル」、「お縫い子テルミー」、そしてこの「ハミザベス」。

今のところ、どれも楽しく読んで、読み終わるとすがすがしい気分になります。
それぞれに共通しているのは、若い女性が主人公であること、彼女たちの生い立ちや家庭環境がちょっと風変わりであること、そして、仕事とか、自立した生活とかがテーマのひとつになっていることです。
自分にできる何かしらの方法で生活費を稼ぎ、他人に迷惑をかけないことを信条とすること、そういう価値観がとてもしっくりきます。

「ハミサベス」では、母娘、幼なじみとの距離の描き方がよかったです。いろいろあったけれど、お互いの気持ちの上での努力の結果、それなりに快適な距離が見つかって、その均衡を維持するための見えない努力を続けていることがわかります。

その均衡の維持は、まったくつながりがないようですが、私の感覚としては、とよ田みのる「ラブロマ」で星野がいう「きれいごとで行けるところまで行きましょう」という名言(?)につながるのです。(連休中に再読して、これは名言だと思った。)

そんな個人的なタイミングの妙もあって、「ハミザベス」、おもしろかったです。
人によっては、身近な人々との距離の取り方のヒントが見つかる、かもしれません。

ところで、「ハミザベス」はタイトルの意味がまずわかりません。裏表紙にもこのタイトルの意味は書いてありません。だからここでも書きませんが、そんなに大したなぞではありません。

ハミザベス (集英社文庫)

栗田 有起 / 集英社


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by takibi-library | 2009-09-27 15:06 | いつも読書 | Comments(0)  

「板極道」読了

“世界の”とつく芸術家、棟方志功の自伝です。話し口調に近い言葉遣いで書かれているので、インタビューっぽい感じもします。

読んで思ったのは、確かな審美眼を持ったお金持ちと、お金はなくても応援したいという人がそれぞれのやり方で芸術家を、あるいは彼が生み出す芸術を支えていたという事実のすばらしさです。それがとくべつなことではなくて、ふつうのことのように感じられるのです。

そういった周囲の人びとと家族、支えとなる人への棟方の感謝の気持ちがこの本にはあふれています。けれども、それを作品で表そうというわけではなくて、創作の源泉は常に棟方の中にあって、そのある種の欲望が吹き出た結果が作品になっています。

芸術に限らず、人生を通して何かに打ち込むことには、自分のエネルギーと周囲への感謝のふたつが必要と学びました。

これは文庫本葉書にします。


板極道 (中公文庫)

棟方 志功 / 中央公論新社


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by takibi-library | 2009-09-25 21:48 | いつも読書 | Comments(0)  

外読書の周りでは

昨日、今日と昼休みに“庭”へ行って本を読んで過しました。短い時間ですが、すばらしい気分転換です。これからしばらくは外読書にいい季節なので楽しみです。

“庭”には、秋の行楽中の家族連れが多くいました。その様子を眺めつつ、私も年をとったのかな、と思いました。というのは、小さな子どもたちを連れた家族の昼ごはんがお母さんのお弁当でないことにさびしい気持ちになったのです。

庭園のベンチの上に、白いレジ袋がかさかさと揺れているのは、なんか味気ない感じがしました。
でも、お母さんも仕事を持っていて、休日は何もしたくないのかもしれない。
ふだんはお母さんのごはんばかりだから、パン屋さんでいろいろ選ぶことも行楽のひとつかもしれない。
そんな想像は簡単にできるのですが・・・だめですね。

人んちのごはんにけちつけるって、いいことじゃないです。家族でお出かけしている様子に素直にほほえむ余裕がほしい。
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by takibi-library | 2009-09-23 22:52 | いつも読書 | Comments(0)  

往来堂書店に納品に行きました。

今日は夕方になってから千駄木へ行きました。詳しくは例によってブックピックのブログで。

orchestra pit「往来堂書店に納品しました。」

それにしても日が短くなったものです。6時過ぎたらもう夜ですね。
夏の夕暮れにはない、しんみりした、よるべないような雰囲気が広がります。帰りに立ち寄ったやなか珈琲店の温かいミルクコーヒーがおいしかったです。
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by takibi-library | 2009-09-21 21:30 | bpo | Comments(0)  

昨日、DADA CAFEに納品しました。

昨日、DADA CAFEに文庫本葉書を納品しました・・・という話をブックピックのブログに書きました。

orchestra pit 「DADA CAFEに納品しました。」
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by takibi-library | 2009-09-20 12:01 | bpo | Comments(0)  

6,000円で庭を買う。

かねてから考えていたことを遂に実行しました。
家から歩いて15分ほどのところにある、美術館の友の会に入ったのです。

この美術館には手入れの行き届いた芝生の美しい庭園があり、庭園だけの利用でも200円が必要なのですが、それに見合った気持ちのよい場所です。アルバイト先からも近いので、昼休みに出かけていって芝生の上でお弁当を食べるのはちょっとしたぜいたくです。

友の会に入るには、入会金が1,000円、年会費が5,000円かかります。入会すると、1年間の展覧会と庭園の利用が無料です。これは・・・6,000円であのお庭が、1年中タダで!つまり、桜も、もみじも、芝生もあるお庭がほとんど私の庭!

美術館に行くたびに、友の会のことが気になっていたけれど、なんとなく踏み切らないまま過していたのですが、もっと早く実行すればよかったと反省しきりです。
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by takibi-library | 2009-09-19 22:45 | くらし | Comments(0)  

父からの電話

アルバイトの帰り道、携帯電話を見ると父からの着信がありました。なにごとかと思って、すぐに折り返しの電話をしてみると、「聞きたいことがあった」とのこと。

何のことかというと、山崎豊子さんの「不毛地帯」の主人公のモデルになった人の名前。

「瀬島龍三?」

と答えると、父は「そう!そう!は~、すっきりした」と、ずいぶん気分がよさそうでした。

“瀬島龍三”がどうしても思い出せなくて、気持が悪くてあちこち(!)電話したのだとか。
妹に電話をしたら、私なら「不毛地帯」も読んでいるし知っているはずだと聞いて電話をしてきたそうです。

とりあえず、誰に先を越されることなく、極小の親孝行ができました。
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by takibi-library | 2009-09-18 21:39 | くらし | Comments(2)  

「随筆 女ひと」読了

読み終わりました。ちびちびと読み進めてようやく。

読んでいておもしろかったけれど、「おもしろかった」と簡単に言えない、でも深い話だとも言えない、個人的には今までにない重さ、軽さの本です。

テーマが「女性の二の腕の美しさ」だとしたら、まずそれだけでふざけているような、色ボケのような、ともすれば不快なものになりえます。けれども、それをまじめに考えていて、ほんとうに魅力的だと思っていることが伝わってくるので、なるほどなー、と理解できます。

これは、序文にあるように「いやいや書いたものは一つもない」と言い切る矜持があるからだと思います。さらにきっと、それを矜持というほどのがんばりによってもたらされているのではなくて、ただほんとうに、ということだからだと思います。

ある程度は普遍的な美しさ、かわいさについて語りつつ、心根の深さを感じる、というところなのかな。
感想が書きにくい、良書です。

往来堂書店、さすがですね。

随筆 女ひと (岩波文庫)

室生 犀星 / 岩波書店


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by takibi-library | 2009-09-15 22:57 | いつも読書 | Comments(0)  

土祭のお知らせ

スターネットでおなじみの栃木県益子町で開催される「土祭(ひじさい)」にブックピックオーケストラが参加します。
今日までいろいろ準備(今週も夜なべ仕事がんばった)を続けてきて、ようやくひと段落したので、詳しくはホームページをご覧いただきたく・・・はー、疲れた。

土祭ホームページ
※ブックピックオーケストラについては「展示・イベント会場案内」→「フリンジ」で紹介されています。

今回は残念ながら益子へ行くことができないのですが、メンバーのみんながきっと楽しい企画にしますので、シルバーウィークのお出かけ先候補へ加えてくださったらうれしいです。

主な準備は今日で終わり。そこで今夜はマイ打ち上げとして、どーんとステーキ肉を買って、もりもり食べました。つけあわせの粉ふきいもももりもり食べました。
デザートはふるふるのわらび餅。調べてみたら、以前家族で団子を食べたお店だとわかってびっくり。
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by takibi-library | 2009-09-13 23:28 | bpo | Comments(0)