<   2012年 09月 ( 4 )   > この月の画像一覧

 

「追想五断章」読了

続けざまに米澤穂信です。けっこうはまってて、文庫本葉書の材料仕入れのときに見つけると、均一じゃなくても買っちゃいます(個人蔵書として!)

主人公・芳光は、経済的な事情で大学を休学し、叔父の営む古書店に店番を手伝いつつ居候しています。
自分の境遇を嘆くでも、社会を恨むでもなく、淡々とした暮らしぶりのなかで、いつか大学に戻りたいと切望しています。そこに「父の文章が掲載された雑誌を探している」という女性客がやってきて、はじめは報酬目当てでその仕事を受けるのですが、思いがけず複雑な事情に接することとなり、迷いながらも真相に迫っていく物語です。

依頼主の探す文章は5つのリドルストーリーです。しかし、書き手である彼女の父親はそれぞれに書かれなかった最後の1文を残していて、組み合わせることで浮かび上がる事実を追うのが、謎解きの大雑把な筋です。

ミステリとしてどうかはわからないのですが、芳光の心境の変化が物語としておもしろかったです。
お金がほしいこと、叔父、母との関係、謎への好奇心、すべてに対する不安、冷めているようでどろどろした思いや、かっかする熱っぽさをちゃんと持っている、探偵役でありながらとても生々しい存在でした。

もしこれを芳光と同じ年頃で読んでいたらどう感じたかな、昔の自分に読ませてみたいような気がします。
(でも、今とはだいぶ社会情勢が違うからな……なにせ20年くらい前だから・笑。)

追想五断章 (集英社文庫)

米澤 穂信 / 集英社


[PR]

by takibi-library | 2012-09-09 22:49 | いつも読書 | Comments(0)  

「犬はどこだ」読了

感想UPがんばろうキャンペーン継続中。

探偵ものが好きです(本気のミステリファンでもないです)。
でも、探偵ものなら何でもいいのではなくて、たいていの人がそうだと思うけれど、その探偵が好きになれるか、彼(彼女)のあとを追いかけたくなるかで、その作品やシリーズが気に入るかが決まります。

好きな探偵さんを見つけると、とてもうれしくなりますが、最近の作品をちゃんとチェックしていないせいもあって、まだ生きている作家の描く、同じ時代を生きていける「好きな探偵」がいませんでした。

でした。

というのも、これから追いかけてもいいかもしれない探偵を見つけたのです。ついに。
それがこの「犬はどこだ」の主人公、紺屋長一郎、25歳。
この物語は、彼が半ばなしくずし的に探偵事務所を開業するところからはじまる、シリーズ第一作です。

訳あって、希望して入った銀行を退職し、犬探し専門の探偵事務所「紺屋S&R(サーチ&レスキュー)」をはじめたつもりが、いきなり人探しを頼まれ、探偵業に猛烈に憧れている後輩が転がり込み、今度は別の古文書の解読の相談を受け……と、紺屋くん(と、呼ぼうと決めた)の「ぼちぼち」気分をよそに、どんどん物事が進んでいきます。
けれども、たぶんもともと真面目なんでしょうね、ちゃんと物事の進みに追いついていくし、追い越そうとする。そのギアの入った瞬間に、探偵として目覚める。その瞬間を読むことができたのが、本当に楽しかったし、なんだかうれしかったです。

久しぶりに「ページを繰る手を誰か止めてください!」と思うほど、読みふけってしまいました。
だから、解説の「続編も予定されている」という言葉に大興奮。調べてみるとどうやらそう遠くはなさそうなので、今から楽しみでなりません。

続編が出たら、単行本で買いますよ、もちろん。

犬はどこだ (創元推理文庫)

米澤 穂信 / 東京創元社


[PR]

by takibi-library | 2012-09-08 21:52 | いつも読書 | Comments(0)  

「珈琲とエクレアと詩人」読了

読み終わった本はいっぱいあって。これから少しずつ読書感想をUPしていきます。

エクレアが好きです。シュークリームも好きですが、エクレアも作っているお店はシュークリームほど多くなくて、見つけるとうれしくなります。
ウエストの、いかにもシュークリームの変形みたいなものも、ブーランジュリーのきつね色に焼いたしっかりした歯ごたえのものも、エクレアと名前がついていればそれでいいんです。

そんなわけで、往来堂の棚に「珈琲とエクレア」という文字列を見つけたとき、ケーキのショーケースに「エクレア」の札が並んでいるようにうれしくて、思わず手に取ってしまいました。
中身がどうとかではなく、「詩人」はとりあえず置いておいて、「珈琲とエクレア」で、買い。

でも、この本は「詩人」の話。

わたしにとって詩人は遠い存在で、それに対して、少し偏見を持っています。いろいろ変わっているだろうとか、生活能力がなさそうとか。
この本で描かれている北村太郎さんも、そんな偏見を払しょくするタイプではなく、親友の妻と同棲してして、ふたりして少し心が弱く、身体も弱く(年齢的なものもある)、そのために家事が行き届かなくて家の中が不衛生になってしまうことがあります。
そして、そういうことはわたしにはいささか不快で、あまり見たくなくて、楽しく読めるものではありません。ふだんは。

でも、読んでいていやな感じはしませんでした。
静かな物語ですが、いやな感じがしないという事実はわたしにとって衝撃でした。

それはひとえに、著者の橋口さんの語り口のおかげだと思います。
大切な友人の話を聞かせる、そういう語り口。わたしは橋口さんの知り合いでもなんでもないけれど、その場で「あなたの友だち」の話を聞いているから、目の前の人も含めた近しさが、わたしの中の偏見という一般論が入るすきを作らなかったのだと思います。

この本の持つ親密な空気は、これからも何かにつけわたしをなぐさめてくれるでしょう。
くいしんぼうの気質で衝動買いした本でしたが、思いがけず大切なものになりました。よかった。

珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎

橋口幸子 / 港の人


[PR]

by takibi-library | 2012-09-07 08:35 | いつも読書 | Comments(0)  

Facebookと連携させてみます。

ブログに書きたい本をたくさん読んでいるのですが、感想をUPできないでいます。理由は夏バテ、包みが忙しいこと、単にサボりが6:3:1くらいかな。ほんとうに今年の暑さには参りました(今も参っています)。

それと同時に、Facebookもどう続けていいか悩んでいて、どうしたものかな・・・・・・。

という今日このごろ、久しぶりにブログを開いてみたら、Facebook連携機能がついているではないですか!

さっそくやってみたので、この投稿でテストしたいと思います。よろしくどうぞ。
[PR]

by takibi-library | 2012-09-01 20:55 | このブログについて | Comments(0)