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「板極道」読了

“世界の”とつく芸術家、棟方志功の自伝です。話し口調に近い言葉遣いで書かれているので、インタビューっぽい感じもします。

読んで思ったのは、確かな審美眼を持ったお金持ちと、お金はなくても応援したいという人がそれぞれのやり方で芸術家を、あるいは彼が生み出す芸術を支えていたという事実のすばらしさです。それがとくべつなことではなくて、ふつうのことのように感じられるのです。

そういった周囲の人びとと家族、支えとなる人への棟方の感謝の気持ちがこの本にはあふれています。けれども、それを作品で表そうというわけではなくて、創作の源泉は常に棟方の中にあって、そのある種の欲望が吹き出た結果が作品になっています。

芸術に限らず、人生を通して何かに打ち込むことには、自分のエネルギーと周囲への感謝のふたつが必要と学びました。

これは文庫本葉書にします。


板極道 (中公文庫)

棟方 志功 / 中央公論新社


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by takibi-library | 2009-09-25 21:48 | いつも読書 | Comments(0)  

「「谷根千」の冒険」読了

5月2日に開催される、森まゆみさんとジョルダン・サンドさんのトークショーへ出かける予定です。これは往来堂書店さんが企画されたものです。ふだんはあまりトークショーには関心を持たないのですが、往来堂書店さんへの親近感から、また会場が旧安田邸であることも魅力的で、行ってみることにしました。

森まゆみさんは、「谷中根津千駄木」という地域雑誌を刊行された方で、今はふつうに使われている“谷根千”という言葉はもともとこの雑誌の略称でした。という情報は小耳に挟んでいたのですが、それ以外にはよく知らなくて、森さんの著書も読んだことがなくて、あまりにも素で行くのもどうかと10日前になって不安になりました。
そこで、先週往来堂書店へ納品にいったときに、店長のOさんにお願いして、トークショーの予習にいい本を選んでいただきました。それがこの「「谷根千」の冒険」です。

この本はタイトルのとおり、雑誌「谷中根津千駄木」の創刊から7年目までのエピソードがまとめられたものです。雑誌を作っているのは森さんをはじめとする3人の子育て中の主婦のみなさん。さまざまな日常的なつまづき、悩み、ちょっとした事件、そういった「何かを始めて軌道に乗せるまで」の右往左往が、「今となってはどれもいい思い出」とうかがえる、さっぱりとした調子でつづられています。

読んでいて、私個人はそりゃないだろ!部分もありましたが(失礼)、実際にユニットを組んで活動をしている身には「そうだよね」と大いに共感するところ、「これは避けたい」と反面教師にしたいところ、意味合いはさまざまですが、読んでいてたしかにおもしろかったです。この点ではとくに、3、4年目くらいまでが。それ以降は雑誌「谷中根津千駄木」に社会的な役割が求められるようになるので、また違ったおもしろさになります。

土曜日のトークショーの前に森さんの人柄がなんとなくつかめた気がします。
必ずしも雑誌・エリア両方の谷根千にあまり強い関心や親しみを持っていなくて、トークショーを楽しめるか不安でした。何も知らずにほいほいと出かけていくのも肩身の狭い思いをしそうなので、この本を読んでよかった。当日が楽しみです。

「谷根千」の冒険 (ちくま文庫)

森 まゆみ / 筑摩書房


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by takibi-library | 2009-04-28 09:26 | いつも読書 | Comments(2)  

縁の本(3月25日追記)

(3月25日)

内沼さんの、この本の執筆中から現在までのブログがあります。各方面での評価(というか絶賛)、これまでの苦労話などが読めます。
って、トラックバックではじめて存在を知ったのですが(恐縮)。

そして明日、往来堂に取りおいてあるこの本を取りに行きます。

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(3月22日)

ブックピックオーケストラの創設メンバーで、現在はブックコーディネーターとして活動している内沼さんの本が出たとのこと。
今日のミーティングで、早速購入したKくんに見せてもらったところ、本の内容に留まらず、本の作りにまでアイデアがみっちりと施された作品でした。
こんな本が作れるんだな。ちょっとしたカルチャーショックでぽぉーとしました。

書店で見かけたら必ず手にとって、前から、後ろから(!)開いて、ちょっと読んで、勇気のある人はカバーを外してみてください。すごいから。
そして、そこまでやったらちゃんと責任持って買いましょう(笑)。

そんなふうに(Kくんのを)いじくりまわした結果、ブックピックにいなかったら仮に本屋で見かけても手にとらないと思えるこの本が、ちょっと身近に感じられて、買おうかな、って気分になりました。

よろしかったらみなさまも。Amazonで買うのが確実な模様です。

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本

内沼 晋太郎 / 朝日新聞出版



実は・・・
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by takibi-library | 2009-03-25 23:02 | いつも読書 | Comments(0)  

「椅子がこわい」読了

文庫本葉書用に、または自分らしくないタイプという視点で買ってみました。ミステリー作家、夏樹静子さんの3年余りに及ぶ腰痛闘病記です。

私は腰痛もちではないので、読みはじめても興味が湧かないのでは?と予想していたのですが、これが大間違い。腰痛の症状の慢性化と激化が進んでいくなかで、よいと聞いたものはすべて試していくのですが、なかなか改善されません。

そして最終的に行き着くのが心療内科で、後半はその治療法についてほぼ日記のようなスタイルで書かれています。その当時の著者の気分の浮き沈み、それを観察する主治医のメモも織り込まれているので、心療内科の目指すところがよくわかりました。
また、腰痛にはあらゆる原因が考えられ、器質的に問題が見つからない場合は心因性の可能性もあることには驚きました。

すべては著者のあとがきの言葉に表れていると思います。
人間には、自分が知っていると思うことの、何百倍も、何万倍も、知らないことのほうが多いのだ。


椅子がこわい―私の腰痛放浪記 (文春文庫)

夏樹 静子 / 文藝春秋


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by takibi-library | 2009-03-13 22:15 | いつも読書 | Comments(0)  

「沈黙のファイル」:瀬島龍三って?

はじめは「ふぅん」と思って読んでいましたが、途中からがつがついって、インタビューの記録の部分を残すまでになりました。

まず、ここまでじゅうぶん言えることは、私には「不毛地帯」よりおもしろいです。数倍おもしろいです。読んでムダだったとは思わないけれど、「沈黙のファイル」を先に読んでいたら、相当がっかりしていたと思います。

そして、瀬島龍三って、なんだったんだろうと思います。「不毛地帯」の壱岐正はそれなりにヒーローとして描かれていましたが、この「沈黙のファイル」を読むと、ますます人間離れするというか、同じ人間と思えないというか・・・こういう人もいるんだなぁと割り切れません。
彼が何を自身のレーゾンデートルとしていたのか想像がつかず、気持ちが悪いです。

それを本人に聞いてみたい気もしますが、昨年亡くなったんですよね・・・。

沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫
/ 新潮社

ちなみに・・・
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by takibi-library | 2008-01-23 21:31 | いつも読書 | Comments(0)  

「沈黙のファイル」読み始めました。

「不毛地帯」の主人公・壱岐正のモデルとされる瀬島龍三についてのルポルタージュです。社会の裏側を描いているとあって、どきどきで読み始めます。

でも、まだ数10ページですが、今のところ食い入るように読むところまでは至っていません。なんとなく「もう知ってる」感じがあって、この先どのくらいのびっくりがあるのかが今のところの楽しみです。

沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫
/ 新潮社
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by takibi-library | 2008-01-19 19:41 | いつも読書 | Comments(0)  

「沈黙のファイル」:これも貸してもらった!

前に「不毛地帯」を貸してくれた友だち(商社マン)から、瀬島龍三つながりで、この本を貸してもらいました。

借り物がどんどんたまっていくぅ・・・。

沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫
/ 新潮社
ISBN : 4101224218
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by takibi-library | 2008-01-16 08:02 | いつも読書 | Comments(0)