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「計画と無計画のあいだ」読了

読み終わって、1週間経ちました。

周りに最近読んだという人がけっこういる、ということがふだんはあまりないこともあって、さらに、周囲の評判とわたし自身が感じたことに差があって、感想の書き方にすこし悩んでいました。めんどうくさいから、書かないでおこうかなとも思いました。
でもその差は、10年以上勤めた大企業を退職してもうすぐ6年経つわたしが折につけ感じていて、どうにかしたいと思ったり、どうにもならないとあきらめていることそのものでもあるので、一度、収拾がついていないなりに文字にして、後日、読み返してみようと思います。

計画と無計画のあいだ---「自由が丘のほがらかな出版社」の話

三島邦弘 / 河出書房新社



われながらあまのじゃくな感想です。
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by takibi-library | 2012-06-03 00:19 | いつも読書 | Comments(0)  

「澁澤龍彦との日々」読了

澁澤龍彦の本は、「高丘親王航海記」と「フローラ逍遥」しか読んだことがないのですが、この2つが大好きです。

先日の南伸坊さんの書評で、奥様の澁澤龍子さんのエッセイがあると知って、書評で紹介されているのは「澁澤龍彦との旅」ですが、まずは先に出ていた「澁澤龍彦との日々」から図書館で借りてきました。

とても自然な、近所に暮らしていそうな夫婦の様子が描かれていて、楽しかったり切なかったり、ずっと読んでいたい、この空気の中で過ごしていたいと思いました。
そしてうれしかったのが、龍子さんが澁澤作品の中でいちばん気に入っているものが「フローラ逍遥」(単行本は絶版)だと書いてあったこと。装丁のすばらしさもその理由の一つに挙げていて、わたしが古書の即売会で手に入れたときのよろこびが分かち合えたようで、この本を読んだ思い出にしたいです。


ところで、内容だけでなく、「澁澤龍彦との日々」の単行本は糸綴じであることも魅力的です。ベッドで寝転がって読むにも、テーブルについて読むにしても、本を押さえたり、支えたりしなくていいと、読書ってさらに快適なのです。

でも、糸綴じということは、手製本しやすいということ……ゆくゆくは「~日々」「~旅」2冊入手して、好きな布で製本……夢が広がり過ぎてたいへん、たいへん!

澁澤龍彦との日々

澁澤 龍子 / 白水社


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by takibi-library | 2012-05-25 22:06 | いつも読書 | Comments(0)  

「39歳 女の愛の分岐点」読了

ふだん手に取りもしない本をたまには読んで、守備範囲を広げておきたいと思っています。幅広いジャンルを楽しめたら、「読む本がない」とくよくよすることが少なくなるから、よい読書生活のための基礎的なトレーニングって感じです。

先日読んだ南伸坊さんの書評で気になった、植島啓司さんの本を図書館で借りました。書評で紹介されたものは貸し出し中だったので予約を入れて、比較的新しくてすぐに借りられるものを選んだら、この「39歳 女の愛の分岐点」でした。

タイトルが、けっこうはずかしい。でも、南さんの書評に「その澁澤龍彦さんに「あなたは本当にいろいろなことをよく知っているねえ」と言われた、植島啓司さん」とあったんだからと、気持ちを強く持って読みました。

実際は、そんなに力を入れなくても楽しく読めました。
ひとりもののわたしがひそかに思っていた結婚生活の難しさが、具体的な理由も一緒に、まじめに書いてありました。かといって難しい話や専門的な話はなく、読んでいる間始終ゆかいでした。
自分もそう思っていた!というのではなく、そういうことだったのかと、考えを整理してもらえたすっきり感があって、読んでよかったと思っています。

なんか、ますます、これからが楽しみになってきましたよ。

39歳 女の愛の分岐点

植島啓司 / メディアファクトリー


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by takibi-library | 2012-05-16 22:15 | いつも読書 | Comments(0)  

「Tesoro」、「Danza」、「not simple」:オノ・ナツメさんのまんがはすてき

連休前半は心置きなくオノ・ナツメさんのまんがを読んで浮かれておりました。

それもこれも、コミックを担当されている仙台の書店員さんのおかげです。ありがとうございました。
短篇集を中心にセレクトしてもらって、どれも休暇に読むにはうってつけでした。

「Tesoro」
家族や夫婦の話が多い短篇集。かわいい、かわいい、かわいい。ちょっとほろっとしたり、くすっとしたり。

「Danza」
読んだことのある「COPPERS」の登場人物の番外編が収録されている短篇集。それぞれの話が違う国の町を舞台になっています。1冊読むと、地球は今もまわっていて、どこかで誰かの暮らしが物語を生んでいるのだな、なんて思います。

「not simple」
全1巻。とても悲しい話。主人公・イアンの身の上には複雑な事情ばかりがふりかかる。これでもかと。イアンがほしいものはありふれたシンプルなものなのに、それが最後まで手に入らない。
今書いていても、悲しみが湧いてくるのだけれど、少し甘くて穏やかな気持ちです。
(でも、これがいちばん好き嫌いがわかれそうな気もします。)

はー……どれもよかったー。もっと読みたいなぁ。でも、ちょっと間を空けようと思う。

それでも、個人的には外国が舞台のお話のほうが好きなので、次は「リストランテ・パラディーゾ」にするって決めてます。
ちょっとがんばったら、ご褒美に買っていいことにするんだ! 何をがんばるか決めてないけど!

TESORO―オノ・ナツメ初期短編集1998・2008 (IKKI COMICS)

オノ・ナツメ / 小学館


Danza [ダンツァ] (モーニングKC)

オノ・ナツメ / 講談社


not simple (IKKIコミックス)

オノ・ナツメ / 小学館


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by takibi-library | 2012-05-03 23:30 | いつも読書 | Comments(0)  

「ゴロツキはいつも食卓を襲う」→オノ・ナツメさんの絵が好きだ!

Twitterのタイムライン上に出てきて知った本です。

「フード理論」というのは、物語に出てくる食べもの、飲みものの役割には一定の法則があり、人々の共通認識となっているということを解説するものです。

・ゴロツキはいつも食卓を襲う
・賄賂は、菓子折の中に忍ばせる
・スーパーの棚の前で、ふたりが同じ食品に手を伸ばすと、恋が生まれる

などなど、どれも前後のセリフまでなんとなく想像できるほど当たり前のこと=ステレオタイプです。
それをあえて解説してもらうと「そういうわけだったのか!」と新鮮にやられた!と感じることができる、楽しい本でした。


ところで、タイムラインで知ったのは、この本の出版を記念して開催された、オノ・ナツメさんの挿画の複製原画展があることでした。
オノ・ナツメさんのまんがは「COPPERS」を読んだきりですが、とても気に入っています。
そんなに遠くないところだし、ちょっと見たその絵がなんかすてきでふらふら~と出かけてしまうにはじゅうぶん魅力的だったのです。

絵のことを伝えるのはきっと絵心がないから難しい。でもとにかく、黒の線がパキパキとして、かわいかったり、滑稽だったりするなかに、かっこよさが入っているのです。それにすっかりまいってしまって、「オノさんの作品読まねば」熱が急上昇しました。

ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50

福田里香 / 太田出版


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by takibi-library | 2012-05-03 22:48 | いつも読書 | Comments(0)  

「街の灯」、「水に眠る」読了

北村薫さんの本を続けて読みました。

「街の灯」はミステリーの連作短編集で、昭和初期が舞台、探偵役は士族出の家のお嬢様、英子です。彼女にはお抱えの女性運転手・別宮(べっく)がいるのですが、この時代で女性が自動車の運転をすることは珍しく、また別宮は武術と拳銃の扱いを身につけています。
お嬢様と女性運転手では、運転手のほうが探偵役にうってつけのように感じますが、そうじゃないところが、おもしろいです。お嬢様なので、ひとりで街を歩けなかったり、お付き合いが多かったり、制約も多いのですが、想像力をフルに使って仮説を立てていきます。
時代の雰囲気と謎解き、どちらもほどよくて、平日の昼休みなんかにちょっとずつ読むのにちょうどいい感じです。

「水に眠る」のほうは、ミステリーではないのですが、少し不思議な話が集められています。表題作は水割りに使う水の話。わたしはいちばん不思議に感じた話です。怖くはなくて、ほんとうにあったらいいなと思ってしまうような不思議な話。
中にはちょっと怖い話もありますが、いろいろな話があって、読み手それぞれがお気に入りを見つけられるんじゃないかな。ちなみに、1話ごとに別々の書き手による解説がついています。それもお楽しみ。

街の灯 (文春文庫)

北村 薫 / 文藝春秋


水に眠る (文春文庫)

北村 薫 / 文藝春秋


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by takibi-library | 2012-04-03 22:57 | いつも読書 | Comments(0)  

「昭和元禄落語心中(1・2)」読了

今の作家の本は買わなきゃ、と言っているそばから、借りものの話。

まんが師匠のHさんが「久しぶりに買った」というこの作品。おもしろかった~。つづきもおおいに気になります。

昭和最後の名人といわれる噺家に、刑務所を出所したばかりのチンピラが弟子入りして、という物語です。師匠と弟子、彼らを取り巻く人々・・・登場人物ひとりひとりが魅力的で、それぞれを軸に読むと、さまざまな色合いを帯びてきます。だから3回くらい続けて読んじゃう(笑)。
(個人的には、先代の師匠から仕えている松田さんが気になります。)

今のところ、主人公である元チンピラのキャラクターが(実は)いちばんぼんやりしていて(だだの落語バカではなかろうと読んでいる)、これから何が明らかになるのか、何をつかんでいくのかが楽しみです。
でもやっぱり、なんだかんだで目をうばわれるのは八雲師匠。あの存在感、只者ではありません。

少しだけ落語を知っている人(わたし)には、描かれている時代(から、現在まで)の落語界を取り巻く空気がなんとなくわかるのですが、「落語はあんまり・・・」という人には、ちょっとわかりにくいところがあるかな、そういうところがわかるともっと楽しいかな、と思います。でも、物語はまだはじまったばかり。こんな小さな不満はすぐに消えてしまうくらい、作品への期待は持っています。

昭和元禄落語心中(1) (KCx ITAN)

雲田 はるこ / 講談社


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by takibi-library | 2012-03-24 10:16 | いつも読書 | Comments(0)  

「いろんな気持ちが本当の気持ち」読了

読んだきり感想を書いていない本がたまっていて、さらに今日、また本を買ってしまう。せめてその前に、と、これから続けざまに書いていこうと思います。

まずは、長嶋有さんの「いろんな気持ちが本当の気持ち」。雑誌などに掲載されたエッセイをまとめた本です。
手がけたあとがきや、自作についてのもの、ちょっとふざけた感じの軽く笑えるもの、いろいろ入っていて楽しい1冊になっています。
けれども、わたしにとってはときどき強く響いてくるものがありました。

今年に入ってもう少しで3か月。計算して確認してはいないけれど、たぶん、わたしは去年より多く新刊本を買っていると思います。それには、年の初めのほうでこの本を読んだことが作用しています。

わたしが楽しませてもらっている同じ時代を生きている作家たちが書き続けるためにわたしができることは、その本を買うことだけなのです。
もちろん、全部を買い集めることはできないけれど、これぞという作家さんの本は借りてすまさない。古本屋に出るのを待たない。そういう気持ちで今後の読書生活を送っていこうと決めました。古本であれやこれややっている立場としては矛盾していますが、その矛盾も片手に提げつつ。

いろんな気持ちが本当の気持ち (ちくま文庫)

長嶋 有 / 筑摩書房


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by takibi-library | 2012-03-24 09:54 | いつも読書 | Comments(2)  

「夜中にジャムを煮る」読了

単行本が出た当時から、題名が何かの呪文のように「効いて」いました。
だから文庫化がうれしかったのですが、カバーが予想とだいぶ違っていたせいか、急に冷めてしまいました。でも、やっぱり読みたい。状態のいい古書が見つかったので即買いしました(そして即文庫本葉書化)。

読んだ日は、とくべつな原因もないのにちょっと気落ちしていました。分厚い本を開く気分じゃなくて、確実に楽しく読めるものがしい気分でした(この点、平松さんのエッセイはわたしにとってとても手堅い選択)。
そして、どこから読もうかぱらぱらめくっていたら、「今日は何も食べたくない」というタイトルを発見。食事を作るのがめんどうでめんどうで、そのだらしなさにまたへこむ、という状態だったので、迷わずその、最後から2つ目の文章から読みました。

読んで、とても楽になりました。
読んでから、妹に「今日の夕飯は頼む」とメールをして、ちょっと眠って、すっかり元気になりました。

ちっともシリアスじゃないし、おいしそうな話が満載で、全体的には楽しい本ですが、食べることは暮らしの中に(中心だったりすみっこだったりいろいろな位置に)あるものだということが、なんとなく実感できるような気がします。
実感しても、実感でなくてもいい、そんな押しつけがましくない「食の話」が集めてあることが、平松さんの本を求める理由です。

夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

平松 洋子 / 新潮社


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by takibi-library | 2012-03-07 23:05 | いつも読書 | Comments(0)  

「ミミズクとオリーブ」読了

分厚い本にかまけてばかりはいられません。

持ち歩き用→文庫本葉書用として物理的にも読みごたえも軽めの本を開拓しました。
芦原すなおさんの作品ははじめてです。以前、この作品の続編にあたる「嫁洗い池」の書評をどこかで読んだ気がして(いろいろ思い返してもソースを特定できなかった)、買ってみました。

主人公は八王子の郊外に和裁が得意な妻と暮らす小説家。ベストセラー作家じゃなけれど食べるのに困らない程度に仕事がある感じです。
この二人暮らしの家には、小説家の同級生である刑事によって謎が持ち込まれ、妻は、その知人から話を聞いて謎を解いていく連作短編になっています。探偵役である妻は、当人の話では不足とあらば小説家を現場に出向かせる、徹底した安楽椅子探偵です。

ミステリとしてはちょっと弱い、と思ってしまいました。けれども、妻の作る四国の郷土料理が魅力的。同級生の刑事は、その料理が目当てで手ごろな謎を見繕っているのではないかと思えます(そのくらい、ミステリとしてはどうかしら?と)。
そして、小説家と妻のどうでもいいようなやりとり、妻が小説家をうまいことあしらっている様が、のどかです。

おいしそうな食べものと、のどかな雰囲気。無理なく、楽しく読めるっていいな~と気づかされました。がしがし読んでいるばかりだと、こういうしみじみした楽しさが身にしみるものですね。

ミミズクとオリーブ (創元推理文庫)

芦原 すなお / 東京創元社


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by takibi-library | 2012-02-25 22:28 | いつも読書 | Comments(4)