「湖畔亭」読了
2009年 03月 16日
内海隆一郎さんは以前、朗読家の方から教えてもらった作家さんです。その名前はすっかり忘れていたのですが、先日ブックオフでぼやーっと棚を眺めていて、ふと目に留まると同時に思い出しました。
内海さんは「短編の名手」と言われている作家さんで、心温まる作風です。教えてもらった当時、図書館で借りて少し読んではみたのですが、そのときはどうもうますぎと言うか、甘ったるい印象を持ったからです。
でも、この本はあらすじを読んですぐに興味が湧きました。
「湖畔亭」は小笠さんという初老の男性が主人公。彼がいろいろな温泉町の温泉宿で湯番として働きつつ、その人生経験をもとに、ささやかな悶着を鮮やかに解決していく連作短編集になっています。
解説にもあるように、小笠さんは寅さんのようです。どこの宿にも長いはせず、潮時と見るとまたふらりと次の温泉町へ。寅さんと違うのは、小笠さんが女性にもてることです。「ずっといてください」「一緒に暮らしませんか」そんなお誘い(?)をたびたび受けつつも、ひらりひらりと粋にかわします。
機微に通じるばかりでなく、小笠さんは何でもできます。湯番、自動車修理、新内、骨董鑑定・・・どれもこれも「むかしちょっと齧ってね」のひとことで説明するのですが、齧ってそれかい!というくらいほぼパーフェクトにこなしてしまうのです。
こんなスーパーおじいちゃん(ときどきとてもハンサム)の活躍は、ほっと心を和ませ、ほおをゆるめてくれます。“ふだん”にしっくりなじむ、親しみのある1冊です。
内海さんは「短編の名手」と言われている作家さんで、心温まる作風です。教えてもらった当時、図書館で借りて少し読んではみたのですが、そのときはどうもうますぎと言うか、甘ったるい印象を持ったからです。
でも、この本はあらすじを読んですぐに興味が湧きました。
「湖畔亭」は小笠さんという初老の男性が主人公。彼がいろいろな温泉町の温泉宿で湯番として働きつつ、その人生経験をもとに、ささやかな悶着を鮮やかに解決していく連作短編集になっています。
解説にもあるように、小笠さんは寅さんのようです。どこの宿にも長いはせず、潮時と見るとまたふらりと次の温泉町へ。寅さんと違うのは、小笠さんが女性にもてることです。「ずっといてください」「一緒に暮らしませんか」そんなお誘い(?)をたびたび受けつつも、ひらりひらりと粋にかわします。
機微に通じるばかりでなく、小笠さんは何でもできます。湯番、自動車修理、新内、骨董鑑定・・・どれもこれも「むかしちょっと齧ってね」のひとことで説明するのですが、齧ってそれかい!というくらいほぼパーフェクトにこなしてしまうのです。
こんなスーパーおじいちゃん(ときどきとてもハンサム)の活躍は、ほっと心を和ませ、ほおをゆるめてくれます。“ふだん”にしっくりなじむ、親しみのある1冊です。
by takibi-library | 2009-03-16 22:21 | いつも読書