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「村田エフェンディ滞土録」読了

「家守綺譚」を読んだときに、taoさんから教えてもらった姉妹編にあたる本です。「家守~」の主人公、綿貫の友人でトルコに留学している村田君の物語。

読んでみて、えらいことだと思いました。「家守~」のときもそう思ったのに、こちらがまたよい。もしかしたら「家守~」以上に気にっているかもしれません。
第一次大戦前のトルコに留学している村田君が人種のるつぼでの暮らしを描いているのですが、そのときどきの村田君の心情が今の日本人(私)にも大いに共感できます。

村田君の周囲には本当にいろいろな国の人がいます。
下宿の大家さんであるディクソン夫人はイギリス人、同じ下宿に暮らすギリシア人のディミィトリス、ドイツ人のオットー、下宿での家事を取り仕切るムハンマドだけがトルコ人で下宿で唯一のムスリム。
人間以外ではムハンマドが拾ってきた鸚鵡、アフメット爺さんの驢馬。
さらに、ときどき村田君を悩ませる神様たち。
どれもこれもが、いい。

彼らとの日々は村田君の帰国でひとたび終わり、その後第一次大戦が始まり・・・という後日譚で終わるのですが、最後の3行はほんとうにぐっときます。涙が出ます。

いつか文庫本葉書に入れたいです。(結局これかよ・・・。)

村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)

梨木 香歩 / 角川書店





ところで、私の暮らしぶりは「家守綺譚」の主人公・綿貫に近いです。ちゃんと仕事をしているけど、生活圏の広さがそんな感じ、です。
そんな私には村田君のような友だちがいて、先月留学から戻った彼と、昨日はじめて会いました。

友だちの留学先はアメリカでしたが、いろいろな国や宗教の人に囲まれていたという意味では綿貫と村田君並みに差があります。その話は、いちいち興味深く、想像することすらないもので、「へぇ」とか「ほぉ」とか言うしかありません。

絶妙のタイミングで友だちとあったことで、「村田エフェンディ滞土録」への思いが深まったことは間違いありません。近いうちに「家守綺譚」とセットで贈って感想を語り合えたらと、想像するだけでうっとりします。

by takibi-library | 2009-09-29 12:29 | いつも読書  

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