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「頼むから静かにしてくれ(1)」読了

今日のお昼で読み終わりました。

いろいろ考えたのですが、私がこの本に収められている物語にぐっとくるときの決まりがみえてきました。「毎日の暮らしの中でこみ上げてくる心細さ」です。

それは、思いがけずやってきます。
見落としていた心の堤防が小さなひびから決壊して、心細さがあっという間に広がるのです。誰かが近くにいても、日が昇ろうとしていても、心にしみこむ冷たさと湿っぽさはなくなりません。
そういうことって、たま~にありませんか?

私はあります。それは自分の弱い部分であって、直さないといけないことだと思っています。
でも、この本には、そんなふうに心細さに押し流されて飲み込まれていく一瞬が、くっきりと描かれていました。それを読んで「そうだよね」と思うことで、「直さなくちゃ」とこわばった気持ちがほぐれる感じがしました。

心細い気持ちは少したてばすーっと引いていくもの。
それをちゃんと覚えておけば大丈夫な気がします。


頼むから静かにしてくれ〈1〉
レイモンド カーヴァー Raymond Carver 村上 春樹 / 中央公論新社

by takibi-library | 2006-04-18 22:54 | いつも読書  

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