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「わたしのマトカ」:ひとりということ

はいりさん、帰国しました。
帰りを待ちわびてくれる人も動物も植物すらもなくて、待っているのは、女一人食べてくための最低限の仕事だけ、というわたしのような人間は、残念ながら旅に出て、家に帰りたい、などと思ったことは一度もない。どこにでもすぐ馴染んで、ひとりでも暮らしていけるタイプだ。だから旅の終わりは、必ず憂鬱なのだ。

私は、ひとりで出かけた帰り道は「もうすぐうちだ~!」と思って自分を励まします。
とくにホームシックだったり、行った先でいやなことがあったとか、そういうんじゃないけれど、ラストスパートって気分で、うちに着くと「ゴォ~~~ル!」と、爽快な気分です。

私はひとり者ですが、はいりさんのような「ひとり」の感覚は、今のところないです。
でも、こういう↓忠告は心に留めておこうと思います。
おいおい、自分の家のトイレの流し方を忘れるほど長い旅じゃあなかろうよ、と誰かにつっこまれて、あらためてしみじみ、わが家の便器をを眺めた。
便器はあんぐり口をあけて水を流しながら、そうやってどこにでもすぐ馴染んで、ひとりでも生きていけます、みたいな顔をしていると、そのうちほんとうに誰からも心配されなくなっちまうよ、とわたしに忠告した。

by takibi-library | 2006-04-23 23:11 | いつも読書  

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