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「消えたマンガ家」読了

人から借りる本は、自分のアンテナに全く引っかかってこない、でもおもしろい本が多いです。この本もその1つ。

「誰にも"消えたマンガ家"が一人はいる」のだそうですが、果たしてどうでしょう?私自身に関してはあまり思い浮かばないのですが、この本に取り上げられているマンガ家、参考資料に挙げられているマンガ家には、「そういえば最近聞かないな」と思います(そもそも知らない人もいましたが)。

なぜ、消えてしまうマンガ家がいるのでしょうか?
この本によると、その多くが精神的に参ってしまうことが原因です。そして、どうしてそこまで追い詰められてしまうのかというと、本人の資質もあると思いますが、それ以上に、出版者の作家の扱い方に問題があるようです。
本文には某社の「専属契約制度」について繰り返し記述されていますが、聞きしに勝るとはこのことですね。私自身はその制度を「保護(または庇護)」と見ていたのですが、実際は「囲い込み(または飼い殺し)」といえるものでもあったようです。
ただ、その中でも生き残っている人もいるわけですから、多少は本人の資質やごく身近な範囲での環境のさもあると思います。

この本は読んでいて気分のいいものではありませんが、私の好きなマンガはこういうことも踏まえて存在している、ということは知ってよかったと思います。
具体的にどういうシステムにすればいいのかはわかりませんが、私がいいなぁと思う作品の作者にちゃんとお金が届くこと、末永くその人の作品が読める環境を整えることを出版社にはお願いしたいです。

消えたマンガ家
大泉 実成 / 太田出版
ISBN : 487233292X

by takibi-library | 2006-10-17 17:17 | いつも読書  

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